石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

アリゾナ州のハイスクール、ゲイ生徒に「レインボーのリストバンドをつけるな」と強要

Gay student banned from wearing rainbow | News Story on 365gay.com

米アリゾナ州の学校長が、14歳のゲイ生徒Chris Quintanillaがつけていたレインボーカラーのリストバンドについて、「そのバンドを裏返すか、学校につけてくるのをやめろ」と命令し、問題になっているというニュース。ちなみにそのリストバンドには、「レインボーはゲイです(Rainbows are gay)」という文字が載っていたんだそうです。Chrisのお母さんはこの件についてアメリカ自由人権協会(ACLU)に相談し、ACLUはこの学校長に「その命令は生徒の憲法上の権利を侵害している」と警告する手紙を送ったとのこと。

ここで非常に興味深いのはですね、Chrisのお母さんが最初学校長に「なぜリストバンドをつけてはいけないのか」と問いただしたら、「それを不快だ(offensive)と感じる先生方もいるから」と言われたってこと。不快(offensive)て。それってこないだ「Xboxのグラフィックデザイナー、マイクロソフト社をホモフォビアで告訴」の中で紹介した、レズビアンのXboxゲーマーがアカウント停止された件と同じ理屈じゃない? 「お前がカミングアウトするとわしらが不快だから、黙ってヘテロのふりをしろ」っていう、「ノンケの不快感至上主義」*1ですよね、これ。

さらにもうひとつ。Chrisが以前、ゲイであることを理由に学校でハラスメントを受けて、お母さんが学校側に相談したときに、校長はこんなことを言ったそうよ。

「彼がそういう人であることを表に出さなければ、たいして問題も起こらないだろうに」

あれ? これも、Xboxゲーマーに対して、一律で「性的指向を表明するな」とやるのと同じ理屈じゃない? 場所は違っても、偏見野郎のやるこたー同じなのねー。

ちなみにACLUは、これまでにもこうした学校での違法な検閲事件を多数扱って勝訴しているとのことで、「少数の教師がちっぽけなリストバンドに取り乱したからと言って、生徒の言論の自由を侵害する理由にはならない」と主張しています。ACLUが校長宛に送った手紙では、「生徒と教師のどちらも、学校の校門で憲法上の権利を捨てることはできない」とした1969年の連邦最高裁判所の判例や、フロリダ州で同様にレインボーカラーを禁じた学校に裁判官が下した「それは憲法修正第1条で保証された権利の侵害である」という判決を指摘して抗議しているそうです。アリゾナACLUのDan Pochodaさんの以下の意見に、あたしは全面的に同意するわー。

「学校がこのような検閲を行うというのは、公民の授業の最も大切な部分のひとつを教え損なうということだ。学校は憲法を尊重するべきだし、違法な手段で生徒を黙らせるのではなく、すべての生徒たちが――つまり、レズビアンだろうとゲイだろうとバイセクシュアルだろうとストレートだろうと、あらゆる生徒たちが、自由を尊び、自由を行使するよう奨励すべきだ」

リストバンドごときでいちいちホモセクシュアル・パニック起こすノンケ*2の尻ぬぐいを、憲法無視してまでいちいち生徒に押しつけられても困るわよね。セクマイの生徒は、一部のバカ教師の「人間は皆ヘテロのはず/ヘテロであるべきだ」っていう幻想のお守りをするために学校に行ってるわけじゃないんですから。

*1:“ノンケの「不快感至上主義」”ではなく、“「ノンケの不快感」至上主義”の意。性的少数者の不快感は慮らず、ひたすら異性愛者の側の不快感だけを問題にすること、ぐらいの意味です。念のため。

*2:これも念のため言っておきますが、全ての異性愛者がこうしたパニックを起こすと言ってるわけじゃありませんよ。