石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『ミカるんX(3)』(高遠るい、秋田書店)感想

ミカるんX 3 (チャンピオンREDコミックス)

ミカるんX 3 (チャンピオンREDコミックス)

百合もよし、新展開もよしの3巻

特撮テイスト満載の美少女合体戦士百合漫画、第3巻。面白かったです。百合方面もエロあり心のつながりありで楽しいし、ベタな流れとみせかけて意外な新事実をぶちかますストーリーもよかった。メリハリと遊び心をかねそなえた絵柄や、キレのいいギャグやアクションもいつも通りで文句なし。

百合方面について

のっけから当たり前のように女性同士のセックスが出てくるところにびっくり。あと、プラトニックな場面でも、

わたしが守るから
なんて決め台詞(p. 79)が光ってました。ミカさんが「女の子が大好きでスケベー」(p. 133)な人として描かれていて、フツーに電車の車掌さん(♀)をナンパしてたりする(p. 99)ところも楽しかった。何が面白いって、この漫画、女の子同士のナンパだのセックスだのに関して誰もいちいちホモセクシュアル・パニックを起こさないことです。誰も同性同士であることを過大視せず、セックスはただのセックス、ナンパはただのナンパとして受け止めていて、そこがいいなと思いました。

ベタと意外性とのコントラスト

まず、ベタな部分だけでも十分楽しいんですよ。合体フォームが進化して「デビルミカフォーム」「日本海の天使フォーム」が現れたり、巨大合体ロボが登場して挿入歌とともに敵を殲滅したりなど、特撮やアニメのお約束を茶化しつつもいきいきと描いていて面白かったです。お約束と言えば、ミカたちが戦う敵の正体もかなりお約束的なんですが、それもかえって「待ってました」という感じで楽しめました。

このままベタ路線で行くのかと思いきや、巻の終盤になっていきなり強烈な新事実がぶちかまされるところがまたたまりません。ヒミツさんの腕輪の秘密(ややこしい)が明かされるとともにお話は新展開に突入し、強烈な引きを残して続刊に続く形になっています。よく見るとここに至るまでの伏線もきちんと仕込まれており、「やられた」と感じ入るばかりです。この入念に準備された「ベタと意外性とのコントラスト」に、惜しみない拍手を送りたいと思います。

絵柄もギャグも秀逸

絵柄はいつも通りの高水準。アクションのメリハリや扉絵の遊び心など、とてもよかったです。ギャグに関しても、

鯖江のメガネは地球の瞳……超次元魔法 次元数減衰魔鏡(ワールドエレメンタルディミニションフレーム)!!!

など、相変わらずの福井県ギャグが輝いていて、楽しく読めました。読んでて2枚のせソースカツ丼が食べたくてたまらなくなっちゃったじゃないですか、どうしてくれる。

まとめ

1巻より2巻、2巻より3巻と、ますます脂がのってきた感のある作品。百合部分もストーリーもアクションもギャグも、皆よかったです。おすすめ。