石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『ミカるんX(5)』(高遠るい、秋田書店)感想

ミカるんX 5 (チャンピオンREDコミックス)

ミカるんX 5 (チャンピオンREDコミックス)

愛もアクションも熱いぜ!

美少女合体戦士「ミカるんX」の活躍を描く特撮系百合漫画の第5巻です。いつにも増して熱い1冊で、大満足。女のコ同士の愛とエロスも、容赦のないバイオレンス描写も、とても楽しく読みました。特に第弐期第陸話のミカの激情の描き方がたまらんです。ラブストーリーでもあり、成長物語でもあり、そして少年漫画の王道をひた走るアクションものでもあるというすげえ回だったと思います。ギャグや昭和の特撮っぽさもたまらないし、これだからこの作品を読むのはやめられない!

第弐期第陸話について

まず、この回のクライマックスのミカの表情(pp. 185 - 186)がすごいんですよ。古き良き少年漫画の血が脈々と流れる、この熱さ。そして、そこに至るまでの流れがまたいいんです。4巻で島袋から

ミカ キミは…るんなを愛してるのか?

問われたミカですが、その問いに対するはっきりとした答が、ここにあります。ただの「女好きでスケベーな完璧超人」にも見えてしまいかねないこのキャラクタの意外な脆さや純情、そしてここに至るまでの成長が全部こめられたシークエンスで、本当にすばらしかったです。

百合方面全般について

特筆すべきは新キャラ「安生安生(あんじょうあき)」。

ミカさんから気品というリミッターを外したような……ッ

と周囲から評される(p. 39)彼女は、身体能力でも自信でも、そして下ネタでもミカに一歩もひけをとらない強烈な人。いきなり初対面のミカの唇を奪うシチュエーション他のエロいことエロいこと。でも、この人のセクハラネタって不思議と嫌味がないんですよ。実はミカとるんなの愛を加速させる触媒となるキャラでもあり、破天荒な行動の数々も楽しく見られました。今後の活躍にも期待です。

バイオレンスとアクションについて

今回もまた、油断させておいて一気に激しい残虐シーンへと突入する箇所ありです。しかも複数。この残酷な想像力が最高。また、この作者さんらしい格闘描写も輝いていて、絵もさることながら、

甘いね優等生 レスラーにヒザを触られるってコトはイコールダウンを奪われるってコトだよ

なんて台詞(p. 18)にもゾクゾクさせられました。

ギャグと特撮っぽさについて

相変わらずテンポの良いギャグが楽しかったです。シリアスめいた場面でも必ずどこかに「笑い」がしのばせてあるという力加減がすばらしい。また、第弐期の冒頭に再び体力測定を持ってくるという構成も心憎く、ついつい第壱期の最初あたりを思い出してしみじみしてしまいました。なお第弐期第壱話に関しては、どことなく漂う「昭和の特撮っぽさ」もいい感じでした。

まとめ

百合とバイオレンスをふんだんに盛り込んだ、激烈に面白い1冊でした。絵柄もセンスもとても新しいのに、古き良き昭和の特撮&少年漫画テイストが脈々と息づいているところがステキすぎます。ちなみに百合方面に関しては、もう文句のつけようがありません。うっすらと同性愛っぽさが暗示されるだけだった1巻からこの5巻までの激走ぶりに、ただただ拍手です。6巻も楽しみです!