石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『クイーンズブレイド -Hide&Seek- (5)』(南崎いく、角川書店)感想

クイーンズブレイド ?Hide&Seek? (5) (角川コミックス・エース 201-5)

クイーンズブレイド ?Hide&Seek? (5) (角川コミックス・エース 201-5)

パワフルでドロドロで百合百合。面白かったです!

女王の座を賭けて戦う女闘士たちの物語、最終巻。ヴァンス3姉妹の愛情劇の熱さが頂点に達しており、非常に面白く読みました。ドロッドロで百合百合で、痛々しいほどに激しい感情の奔流がみごとです。「『尺』という名の魔物」(p. 132)と戦いながらの結末ではありますが、いちばん納得がいく落としどころに綺麗に着地していると思います。1〜2巻を読んだ時点ではいくつか疑問を覚えないでもなかった作品ですが、ここまで読み続けてきて本当によかったです。

ドロドロ愛憎劇について

ヴァンス3姉妹の生々しい感情のぶつかり合いがよかったです。特にエリナの、狂気をはらんだ愛情からダメダメな末っ子ぶりまでの振れ幅の広さがたまりません。エリナのレイナへの想いが、単なる思慕だの姉妹愛だのを超えた、もっと官能的で狂おしいものであるところがポイント。シリーズ序盤はガチ度がゼロに近く、ヘテロ同士であざとく微エロ演出をしているだけのようにも見えた本作ですが、ここまで突っ走ってくれればもう文句なしです。普段は冷静なクローデットやレイナが見せる激情もよかったなー。いいもん見ましたよホント。最終話扉絵の、全てを乗り越えた後での3人のラブラブ寝姿にも見とれました。

落としどころについて

最終巻だけあって「これまでのキャラクタ総ざらえ」兼「クイーンズブレイドの他シリーズへの導入」的なつくりになっているのですが、このページ数でよくもと思うほど綺麗にまとまっている気がします。ノワとアレイン、シズカとトモエ、リスティとレイナなど、さまざまな組み合わせの絆が描かれるところが楽しいし、最終話で眼前に新たな世界が開かれる感じもナイス。イルマの「謀反」やレイナVSアルドラ戦の詳細、フロレルのとあるエピソードなどが描かれなかったところは残念ですが、そこまで望むのは贅沢かも。

その他

あとがきがとても面白かったです。実は1〜2巻ではまだ設定が出揃っていなかったとか、3巻あたりから南崎さんの作風との摺り合わせを行うことでキャラが動き出したとか、時々「(百合的に)やり過ぎです」とNGをくらったとか、読んでいて「そうだったのか!」と納得することしきりでした。「最後だから描きたい放題」のエキドナとイルマのカットもエロエロで好き。ちなみにエキドナさんはこのカット以外でも大活躍で、エキドナ好きとしてはたいへん嬉しかったです。

まとめ

全5巻の中で、この巻がいちばん好きです。百合/レズビアン物としてもすんごく熱いし、大団円への持って行き方も巧みで、最後までワクワクしながら読ませてもらいました。南崎いくさんの次回作が今からとても楽しみです。