石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『ちょいあ!(3)』(天蓬元帥、徳間書店)感想

ちょいあ! 3 (リュウコミックススペシャル)

ちょいあ! 3 (リュウコミックススペシャル)

男性目線であちこち杜撰

オタクネタ多めの女子中学生百合4コマ、完結編。性表現が男性目線で少しも女子っぽくない上に、キャラクタの感情の動かし方が杜撰なところもあり、あまり楽しめませんでした。例によってエロい表情だの裸だのキスシーンだのは多めなので、そちらが目当てな方にはいいかもです。

このへんが野郎目線

女のコが女のコの乳を揉む場面が頻発するのですが、その揉み方がAVを真に受けてるノンケ男そのもの。だいたい相手、中学生だよ? あんな風にわしづかみしたら痛いだけなのに、なぜかキャラが都合良く悶えたりうっとりしたりしているところが失笑モノです。相手が泣くまでセクハラすることをギャグとしてとらえている描写(p. 20)や、マヨネーズ使った疑似顔射シークエンス(p. 89)については、何をか言わんや。もう全然百合じゃなくて、野郎の性妄想陳列大会だわ、こりゃ。

このへんがとっても杜撰

第38話から第40話のまわたと杏子の動かし方に、脳みそがついていきませんでした。第38話最終ページの目線を使った感情表現には、思わずぐっと来そうになったんですよ、それでも。そこで1巻や2巻の偏見コテコテ度を思い出し、警戒しながら読み進めたのは正解だったと思います。39〜40話を見てしまうとまわたはただの嫌なやつでしかなく、杏子の扱いについては「マゾヒズムというものを完全に勘違いしている」としか。「暴力(精神的な暴力含む)をふるわれればふるわれるほど喜ぶのがマゾ」という、オタ業界にありがちな大誤解炸裂で、少しも楽しめませんでした。

この巻では小聖とマユ子のカップル性はそれほど強調されず(2巻であれほどねっちりキスさせてたのにね)、話がマユ子萌え(または『前髪ぱっつん姫カット太眉萌え』)/マユ子総受け方面に向かっていると思うんです。38〜40話の展開もその一環かと。でも、まわたにあそこまで悪辣なことをやらせてまで描かれたマユ子萌えは、あたしの胸には届きませんでした。後味が悪いのみばかりか、百合としてもピントがボケてしまっているように思います。

そうは言っても

絵は相変わらず可愛いし、裸やパンチラや女のコ同士のねちっこいキスシーンも豊富に収録されています。そういう絵ヅラをお求めの方にとっては大傑作なのかもしれません。

まとめ

百合というより野郎の性妄想陳列大会にしか見えませんでした。セクハラや強引な乳揉み、顔射などのオスオスしい性妄想にホモソーシャル的に興奮できるヘテロ男性向けだと思います。あと、キャラの心情より何よりオカズ用の「絵」重視の方。ニーズはあるのでしょうし、商売としては正しいのでしょうが、あたしには合わない作品でした。