石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

同性婚反対派、またしてもプロパガンダにうっかり同性婚賛成派の写真を使う

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米国のモルモン教会が婚姻の平等に反対する声明に使用した家族写真の女性が、実は同性婚賛成派だったことがわかりました。この女性は同じ写真をレインボーカラーにしたものをFacebookに投下し、自分は賛成派だと表明しています。

詳細は以下。

Marriage Equality Supporter Featured in Mormon Anti-Marriage Equality Post | Advocate.com

ことのあらましは、こう。まず、2015年6月に米連邦最高裁が同性婚を合憲としたことを不服とするモルモン教会が、Webサイトにこんな写真入り記事を上げたんです。

記事の見出しは、「最高裁判決は結婚の教えを変えるものではない」。写真に写っているのは、連邦最高裁判所の前で手をつないで歩く「父、母、子」の家族像です。どうやらこれが、この教会の考えるところの「神聖なる結婚制度」("The Divine Institution of Marriage")の象徴だったらしいのですが。

実は、この写真の女性Sylvia Cabusさんは、LGBTQIへの愛と受容を求めるモルモン教徒の団体「モルモン・ビルディング・ブリッジズ」(Mormons Building Bridges)のメンバーだったんです。最高裁が同性婚を認めたことに「感激した」(thrilled)というSylviaさんは上記記事を見て驚き、Facebookで「うーん……この写真に写っているのはわたしたちです。わたしは今でも婚姻の平等に賛成です!」と表明。さらに、同じ写真を虹色に加工して同じくFacebookに載せました。

よく見ると、Facebookのプロフィールアイコンまでこのレインボー写真になってますね。

Sylvia Cabusさんはフィリピン系アメリカ人でモルモン教徒。Sylviaさんの夫はモロッコ系のイスラム教徒。この写真は、昨年Sylviaさんがモルモン教会から、PR用の「多文化な家族写真」を撮りたいと頼まれて撮影に参加したときのものだとのこと。Sylviaさんは教会が彼女の同意なしにこの写真を使用できるとする書類にサインしているため、今回の写真使用に違法性はありません。でもねえ、「多文化な」家族と、「婚姻の平等を認めない異性愛者の」家族とじゃ、ずいぶん意味が違うはず。異性カップルなら全員が同性婚反対というわけでもないし、教会側も脇が甘かったとしか。

それにしても、この手の「婚姻の平等に反対するはずが、うっかり賛成派の写真を使ってしまう」パターンって、最近やたら見かける気がします。ちょっと思い出せるだけでも、こんな先例がありますし。

もしかして同性婚を認めたくない皆さんてば、「被写体なんて適当に選んでも大丈夫、だってほとんどの人は反対派だもーん」とか「異性愛者(または、異性愛者に見える人)ならゲイの味方なんてしないはずだもーん」とか思ってるんじゃ。だとしたら、世界中での世論の変化についていけてないという点で、マックスコーヒーもびっくりの甘さですな。たぶん今後もこういう事例は出てくるだろうし、淡々と見守ろうと思ってます。