石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

あなたの語釈は何年代? 『三省堂国語事典』における「男」「女」の変化

三省堂国語辞典 第七版

以下のツイートで説明されている、『三省堂国語辞典』の「男」「女」の項目の年代別変化がとても面白かったです。

「辞書は世につれ、世は辞書につれ」感がありますな。この語釈の移り変わりによって、ある人の「性別」観がどの時代にアップデート終了したかが推定できるんじゃないかと思います。たとえば、こんな風に。

  • 腕力が弱い男性を「それでも男か!」と罵る人や、「女は全員子供を生み育てるのがあたりまえ」と信じている人は、1960年でアップデート終了。
  • 「男性不妊だとわかったら男じゃなくなってしまう」と考えて検査をこばむ人や、「閉経した女は女じゃない」と思っている人は、2008年でアップデート終了。
  • 「生物学的性別と性自認が常に同じとは限らないし、法的な性別は変えられる」と思っている人は、最新版適用済。

人間の知識や考え方のアップデートって、だいたいその人の人生のピークで止まるんじゃないかと思います。知力・体力の衰えや、そこまでの成功体験による錯覚などから「残りの人生はこれまでに学んだやり方だけでいけるだろう」と思ってしまうと、そこでアップデート終了になるんじゃないかなあ。そのピークが20代で来ちゃう人もいれば、一生最新版の考え方をインストールし続けられる人も(数少ないけど)いるというのが人間のおもしろいところ。できれば後者でありたいものです。