以下のツイートで説明されている、『三省堂国語辞典』の「男」「女」の項目の年代別変化がとても面白かったです。
『三省堂国語辞典』の「男」「女」の語釈の移り変わりについてまとめました。「主観的な性」まで含めると、「男」「女」の説明は難しく、課題もありますね。 pic.twitter.com/sTe4zFIK1L
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2015, 10月 7
「辞書は世につれ、世は辞書につれ」感がありますな。この語釈の移り変わりによって、ある人の「性別」観がどの時代にアップデート終了したかが推定できるんじゃないかと思います。たとえば、こんな風に。
- 腕力が弱い男性を「それでも男か!」と罵る人や、「女は全員子供を生み育てるのがあたりまえ」と信じている人は、1960年でアップデート終了。
- 「男性不妊だとわかったら男じゃなくなってしまう」と考えて検査をこばむ人や、「閉経した女は女じゃない」と思っている人は、2008年でアップデート終了。
- 「生物学的性別と性自認が常に同じとは限らないし、法的な性別は変えられる」と思っている人は、最新版適用済。
人間の知識や考え方のアップデートって、だいたいその人の人生のピークで止まるんじゃないかと思います。知力・体力の衰えや、そこまでの成功体験による錯覚などから「残りの人生はこれまでに学んだやり方だけでいけるだろう」と思ってしまうと、そこでアップデート終了になるんじゃないかなあ。そのピークが20代で来ちゃう人もいれば、一生最新版の考え方をインストールし続けられる人も(数少ないけど)いるというのが人間のおもしろいところ。できれば後者でありたいものです。