石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

北アイルランド議会が初めて同性婚支持

DSC01779, Belfast Parliament, Belfast, Northern Ireland.
DSC01779, Belfast Parliament, Belfast, Northern Ireland. / lyng883

2015年11月2日、英国の北アイルランド議会で、初めて同性婚への賛成票が反対票を上回りました。しかしながら保守政党の民主統一党が懸念請求の手続きをとったため、立法化は先送りとなっています。

詳細は以下。

Northern Ireland lawmakers back same-sex marriage

同議会が同性婚法案について討議するのはこれで5度目。賛成53票に対し反対52票という僅差で、初めて賛成派が反対派を上回る結果となりました。しかしながら、民主統一党は「懸念請求」("petition of concern")の手続きにより、同法案の立法化をブロック。

懸念請求("petition of concern")とは、特定の立法行為についてカトリックとプロテスタントの両方から十分な支持が得られていないと思われるときに「コミュニティー横断投票」("cross-community vote")を要請するための仕組みです。コミュニティー横断投票では、議会の過半数に加えて、ユニオニスト議員団(北アイルランドと英国の連合を支持)とナショナリスト議員団(北アイルランドとアイルランド共和国の統一を支持)の40%以上の賛成が必要とされます。

北アイルランドのLGBTの権利擁護団体「レインボー・プロジェクト」のジョン・オドハーティー(John O’Doherty)氏は、「民主統一党が議会と北アイルランド市民の意志を無視して懸念請求の仕組みを濫用していることは明らか」と非難しているとのこと。

オープンリー・ゲイの英国俳優、サー・イアン・マッケランは、今回の事態について以下のようにコメントしています

「北アイルランドの人々が、不平等に与する見せかけだけの議論の犠牲者となるべきではありません。平等に扱われるためにブリテンまたはアイルランド共和国まで行かねばならないということは、あってはなりません」

“Northern Irish people should not be the victims at home of specious arguments in favour of inequality. They should not have to travel to Britain nor to the Republic, to be treated equally.

なお英国(UK)ではイングランド、ウェールズ、スコットランドで既に同性婚が法制化されており、残るは北アイルランドだけ。ベルファストの裁判所では、2015年11月と12月に、同性カップルの結婚の権利をめぐる審理が予定されているとのことです。

米国あたりだと、「法案が議会で可決されたのち首長が拒否権発動して/住民投票で否決されてブロックされる」というパターンが多かったと思うんですが、国が違えば制度も違うもんですねえ。この先どうなるんだろう、やっぱり裁判で決着をつけるのか、それとも2016年5月の北アイルランド議会選挙で多少は風向きが変わるのか?