石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

豪州でLGBTの多様性を教える教材「All OF Us」発表

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オーストラリアで、ジェンダーや性の多様性とインターセックスについて教えるための教材「All Of Us」が開発されました。政府出資によるこの教材は7~8年生(12~13歳)を対象としており、あらゆる学校がダウンロードして使えるとのこと。

詳細は以下。

All of us: New educational resource to promote LGBT diversity in Australian schools - Gay Star News

この教材は、オーストラリア政府の出資により、LGBTI団体「マイナス18」(Minus 18)と「オーストラリア安全な学校連合」(Safe Schools Coalition Australia)が共同開発したもの。内容は、生徒用の配布物やポスター、保健体育の授業用プログラム、動画教材など。以下、公式サイトの説明より引用。

All Of Usは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、そしてインターセックスの人々に対する児童・生徒の考え方に大きな影響を与えるために、そして学校全体が変化して、すべての児童・生徒、職員、そして家族たちが学校は安全なところだと感じる権利を認め、サポートするよう働きかけるために開発されました。

All Of Us has been developed to have a real impact on student attitudes towards lesbian, gay, bisexual, transgender and intersex people and to encourage whole school change that affirms and supports the right of all students, staff and families to feel safe at school.

たいへん良い試みだと思うんですが、ここでひっかかるのは、オーストラリアはLGBTの権利に対して比較的保守的な国だということ。アボット(Abbott)前首相はなぜか中学生にすら説明できない理由で同性婚に反対していましたし、バーナビー・ジョイス(Barnaby Joyce)農業・水資源担当大臣は「同性婚を認めたら東南アジアの国々と関係が損なわれる」と、アジアのホモフォビアに責任をなすりつける発言をしていました。また、国会議員のピーター・アベッツ(Peter Abetz)氏は、「同性カップルが(血縁のない)子供を育てるのはアボリジニから子供を奪い去る行為と同じこと」という偏見を開陳。ことほどさように、アンチLGBTなニュースがやたらと流れてくる国なんですよね、オーストラリア。

このAll Of Usについても、さっそく同国のキリスト教団体"Australian Christian Lobby"が、「子供たちにゲイとレズビアンのテクニックを教え込むものだ」として中止を要求していたりします。ちなみにこの団体、以前「同性婚より喫煙の方が健康的」と主張して物議をかもしたところです。そんなわけで、子供だけじゃなく大人向けの教材も開発した方がいいんじゃないの、と思わないでもありません。All Of Usで教育された子供たちがいずれ大人になって社会を支え始めれば、少しは情勢が変わるのかもしれませんが、そこにたどりつくまでにこうした教育プログラムが潰されてしまわないことを切に祈ります。

なお、All Of Usの公式サイトは以下。