石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ニコロデオンの子供向けアニメに既婚ゲイカップル登場

Nickelodeon - Frankfurt Buchmesse 2014
Nickelodeon - Frankfurt Buchmesse 2014 / ActuaLitté

米国の子供向け番組専門のケーブルTV局、ニコロデオン(Nickelodeon)が、同局のアニメ『ザ・ラウド・ハウス』に初めて既婚ゲイカップルを登場させました。

詳細は以下。

Nickelodeon to Introduce Gay Married Couple for First Time in Animated Comedy ‘The Loud House’

『ザ・ラウド・ハウス』は、10人もの姉妹を持つ少年、リンカン・ラウド(Lincoln Loud)を主人公とするコメディ。ゲイカップルが登場する場面というのは、こちらです。

早い話が、リンカンの家にお泊まりに来る子の親が、男性同士の既婚カップルという設定なわけです。ゲイキャラだからといって特に変なステレオタイプをなぞったりせず、心配性で愛情深いパパといった描き方になっていることが、動画を見るとよくわかります。

子供向け番組でこのようなシーンが描かれるようになってきたのは、とても良いことだと思います。あたしが子供だった頃なんて、「同性愛者は将来家族を作れず、子供も持てず、孤独で悲惨な老後を迎えるのだー!(それが嫌なら我慢して異性と番うしかないのだー!)」なんていう大嘘がはびこっていて、今思い出しても迷惑千万でしたからね。

アニメの中にこうした描写をさりげなく入れることで、ゲイカップル家庭の子や、自分自身がゲイである子が、自分の人生をより肯定的にとらえられるようになっていくといいなあ。ヘテロ家庭で育つヘテロの子にとっても、こうした描写に慣れ親しんでいれば、たとえば実生活でゲイの親を持つ子と知り合ったときに「あのアニメで見た子と同じだ」と納得しやすくなるというメリットがあるはず。宗教保守からの反発は少なからずあるでしょうが、ニコロデオンには頑張ってほしいと思います。

ちなみに、米国の子供向けアニメに子供がいる同性カップルが出てきたのはこれが初めてというわけではありません。カートゥーン・ネットワークは2014年、『クラレンス(Clarence)』という作品にレズビアンのお母さんたちを登場させています。声を担当したのはなんと、どちらもオープンリー・レズビアンのリー・デラリア(Lea Delaria)とティグ・ノタロ(Tig Notaro)。

そんなわけで、少なくとも米国では、子供向けコンテンツの中でも同性愛者が単なる地域社会の一員として当たり前に描かれる時代が(ようやく)やってきつつあるようです。日本がここまで追いつける日は、果たして来るんでしょうか?