石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

リゾート地のゲイカップルに手錠かけ逮捕 理由はキス メキシコ・トゥルム

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メキシコのリゾート地、トゥルムの地元警察が、ビーチにいたカナダ人ゲイカップルを「ゲイで、キスしていたから」という理由で逮捕してしまいました。居合わせた人が録画した動画には、観光客らがこの逮捕に激しく抗議する様子が映し出されています。

詳細は以下。

vanguardia.com.mx

動画と画像はこちら。

この動画を撮影したのは、マリッツァ・エスカランテ(Maritza Escalante)さんという女性。動画では、警察の車に乗せられていく水着姿の男性が「僕らはゲイでキスしていたんだ、そのせいで連れて行かれるんだ(“Somos gay, nos estábamos besando y nos llevan por eso”)」と言って、周囲の観光客らから一斉に抗議が巻き起こる様子が見て取れます。「ノー」の大合唱の中、女性ふたりが西・英2か国語で「私はゲイ」「私もゲイ」と叫んだりもしていて、なんだかスパルタカスみたいなことになってます。トゥルムはゲイフレンドリーな宿やバーが多いと言われている*1ところだから、本当に同性愛者女性だという可能性も高そうですけど。

エスカランテさんによると、この事件が起こったのは2021年2月14日の午後4時半ごろだとのこと。警察の行動は暴力的で、「家族連れや子供がいるのだから、これを見させておくわけにはいかない」となどと主張していたそうです。結局、警察は人々の抗議に屈してすぐに同カップルを解放したのだそうですが、エスカランテさんはこんな前世紀みたいな差別が今なお続いていることに「激怒している」と述べています。

なお州人権委員会(CEDHQROO)のマルコ・アントニオ・トー・ユアン(Marco Antonio Tóh Euán)氏は、この件に関して不服申し立ての手続きが始まっており、メキシコ国家人権委員会(CNDH)の介入もありうると話しているとのこと。

こういう、「ヘテロなら誰でもどこでもやっていいことをゲイだとわいせつ扱いし、『家族』や『子供』を盾に排除する」って、ホモフォーブご一同様の典型的なやり口よねえ。うちで過去で紹介した例だと、こんなのがありますよ。

大人世代がこうやって「ヘテロならいい、ゲイならダメ」というダブルスタンダードでゲイを抑圧するところを子供に見せつけたら、子供たちはわけもわからず怯えるか、「ゲイが相手ならいじめをしてもいいのだ」と解釈して新たなホモフォーブに育つかのどちらかでしょうよ。自分もこういう事件の現場に居合わせたら¡Soy gay tambien!(あたしもゲイだよ!)と叫んで抗議しまくるレズビアンであろうと固く決意した次第です。