メキシコのヌエボ・レオン州のレストランが2019年4月28日、店内で手をつないでいたからという理由でゲイカップルを脅して追い出してしまいました。これに抗議する集会が、5月4日に同店の前で開かれました。
詳細は以下。
ルベーン・ベリス(Rubén Veliz)さんとエドウィン・コントレラス(Edwin Contreras)さんは4月28日の午後5時ごろ、バレ・アルト通りにある「ポソレ・イ・タコス・レヒオス(Pozole y Tacos Regios )」というレストランに入りました。ルベーンさんのFacebookポストによると、ふたりはこれまでにも何度か同店を利用したことがあったとのこと。しかしながら彼らは、席についていくらも立たないうちに、彼らが手をつないでいるのを見かけた店主から「自分はホモフォビックではないが、そんなことをしていたんじゃサービスは提供できない」と言われてしまったのだそうです。
ルベーンさんたちがつとめて丁寧に「僕らが何をしているんでしょうか」と尋ねると、店主は「手をつないでいる」と言い、威圧的な大声で「あなたたちにサービスは提供できない!」と叫んだとのこと。店主はその他、「お手々つないでたんじゃ接客はできん」、「俺は店長だぞ」、「二度とここに来るんじゃねえ」などとも言ってふたりを脅しつけたんだそうです。さらにその数分後、別の従業員からも、「このレストランは「家族的な雰囲気」を尊重しているのであなたたちは入れませんと言われたとのこと。うっわー、言ってることが英米のホモフォビックなレストランとまるきり一緒だわ。それを言うなら、「自分はホモフォビックじゃないが(あるいは『自分は差別はしないが』)……」と言いながらせっせと差別的行為に励むのは、全世界のホモフォーブと一緒だけど。
ちなみに、El Closet LGBTで指摘されていますが、メキシコの「消費者保護に関する連邦法(Ley Federal de Protección al Consumidor)」第58項では以下のように定められているんだそうです。
商品、製品またはサービスの供給者は、顧客のジェンダー、国籍、民族、性的な好み、宗教、または何であれその他の特徴を理由として拒絶したり、制約したりしてはならない。
El proveedor de bienes, productos o servicios no podrá negarlos o condicionarlos al consumidor por razones de género, nacionalidad, étnicas, preferencia sexual, religiosas o cualquiera otra particularidad.
じゃあこのレストランのしたことって連邦法違反じゃん。そもそも憲法で保障されている人権に対する侵害だけど(そのことは、事件の様子をおさめた以下の動画でも指摘されています)。
そんなわけで5月4日、「ポソレ・イ・タコス・レヒオス」の前で差別に抗議する集会が開かれました。
Frente al restaurante que corrió a dos chicos por estar tomados de la mano. No más actos de discriminación 🏳️🌈👏. Gracias a @csomosmty por organizar esta protesta pacífica 💖 pic.twitter.com/0rKgCCkb4X
— El Clóset LGBT (@elclosetlgbt) 2019年5月5日
オレンジ色のプラカードに書かれている言葉を、最後に訳しておきます。
愛はクロゼットに隠されなきゃいけないものじゃない
El amor no se debe esconder en el clóset