石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

キャメロン・エスポシート、政治家のトランスフォビックな暴言をトランス支援のチャンスに変える

For The Best Time, Call Cameron

オープンリー・レズビアンのコメディアン、キャメロン・エスポシートが、米国アーカンソー州の政治家マイク・ハッカビーによるトランスフォビックなツイートに怒り、このツイートをトランス支援のための募金集めのチャンスに変えてしまいました。

詳細は以下。

Cameron Esposito turns transphobic Huckabee tweet into cash for Trans Lifeline / LGBTQ Nation

マイク・ハッカビーというのは元アーカンソー州知事にして南部バプテスト派牧師、創造論信者で、同性婚や人工妊娠中絶に反対している人です。ことの起こりは、そのハッカビーが、同国のチャック・シューマー上院議員がホロコーストで亡くなった家族のことを思って涙したことを揶揄し、以下のような「ジョーク」をツイートしたことにありました。

訳:「ハリウッド発ニュース速報! チャック・シューマー上院議員が『ボーイズ・ドント・クライ』リメイクで主演に」。

『ボーイズ・ドント・クライ』は、ブランドン・ティーナというFTM男性がトランスフォビックな人々によって惨殺されたという実話を基にした映画です。ハッカビーのこのツイートは、(1)涙を流すような男は男ではない、(2)トランスジェンダー男性は男ではない、(3)トランスジェンダーに対するヘイトクライムは冗談のネタ扱いしていいもの、等々の偏見を前提にしているという点で、何重にも差別的だと言えましょう。

これに腹を立てたのがキャメロン・エスポシート。彼女の一連のリアクションをごらんください。

訳:「うーん、マイク、トランスの役はトランスの役者がやるべきだと思うわ。でも、あなたのおかげでLGBTの人々には反ヘイト法が必要だってことが強調されたのはいいことだ」。

訳:「心無いジョークを、真心のこもった行動に変えよう。ブランドン・ティーナを追悼して、@Translifelineに寄付しよう。わたしはそうする!」。

訳:「(寄付後の画面キャプチャに添えて)わたしのコミュニティーに毎日貢献することを思い出させてくれてありがとう、@GovMikeHuckabee。追記:あんたは馬鹿野郎だ」。

@Translifelineというのは、トランスジェンダーの人々のための非営利電話相談窓口「トランス・ライフラインTrans Lifeline)」のTwitterアカウント。キャメロンの呼びかけを機に「自分も寄付した」「自分も」という報告があいつぎ、同団体には24時間で18000ドルもの寄付金が集まったそうです。

その後どうなったかって? 2月8日のこちらのツイートをごらんください。

訳:「土曜日以来、@Translifelineに21000ドル以上が寄せられたよ。協力よろしく! それから@GovMikeHuckabeeへ:(あかんべえの絵文字)」。

21000ドルというと、日本円で約240万円。これで助かる命もあると思うと、やっぱりヘイトスピーチを看過せずに行動を起こすことは大事ですね。キャメロン・エスポシートのすばらしい機知に、惜しみない拍手を贈りたいと思います。