石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米学校区、レインボーフラッグを恐れるあまり恒例行事を廃止

米国カンザス州のマリオン高校には、最上級生が学校の駐車場にペンキを塗るという恒例行事がありました。しかし、1人の生徒がレインボーフラッグをペイントしたからという理由で、その行事自体が取りやめになってしまったそうです。

詳細は以下。

Conservatives freaked out over a student’s rainbow. So his school ended a tradition. / LGBTQ Nation

同高校ではこれまで、最上級生は自分を表現するデザインで1人1区間の駐車場をペイントできることになっていたのだそうです。で、2017年9月、ローガン・ウェイナー(Logan Waner)さんという学生さんは、自分の割り当て分のスペースをこんな風に塗りました。

ところがこれが気に入らない人々があっという間に学校に苦情を寄せ、ウェイナーさんは校長からデザインを変えるようにと言われたとのこと。その後何者かがこのレインボーフラッグにタールを塗りたくるという事件があり、さらに学校区(日本の教育委員会に相当するようなもの)が駐車場をペイントする伝統自体を廃止する評決を出したのだそうです。

ちなみにこれまでこの学校では、南部連合国旗(南北戦争時の南軍旗。人種差別支持者が使う旗でもあります)やトランプの選挙スローガン「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」などをペイントした生徒もいたのに、それらが問題視されたことはなかったんだそうです。なのに、だれも差別しないレインボーフラッグひとつで行事そのものがお取り潰しにされちゃうとはね。どれだけ差別が好きなんだか。

幸いなことにウェイナーさんを支持する人もたくさんいて、同州のアンチゲイなヘイト団体ウエストボロ・バプティスト教会が騒ぎに乗じてこの高校に現れた際には、それを上回る人数のカウンター抗議者が集まったとのこと。ウェイナーさんは同教会へのプロテストとして、男の子にキスしてみせたそうです。だから何もかも悲観しなきゃならないわけじゃないんだけど、こういうニュースはやっぱり凹むわ。「たかが駐車場の1区画を好きな色にできなかっただけで何をガタガタと」とか、「旗なんて学校以外の好きなところで掲げりゃいいじゃん」とか思う人もきっといるだろうけれど、そういうことじゃないんですよ。ThinkProgressのザック・フォード(Zack Ford)氏が以下のツイートで言ってることが全てです。

訳:「こうやってクィアな生徒たちは、『おまえたちは大事ではない』と示されるんだ」。