石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

16歳の息子が父親にカミングアウト。お父さんの反応が最高。 アルゼンチン

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アルゼンチンの16歳のゲイ男性が、自分のお父さんにカミングアウトしたときの反応をTwitterで報告し、大いに話題を呼んでいます。

詳細は以下。

www.minutouno.com

この男性、マルティニアノ・レンセ(Martiniano Lence)さんは、父親のラウル(Raúl )さんに、ちょっと遠回しな方法でお父さんに自分はゲイだと伝えたのだそうです。その方法とは、メッセンジャーアプリのWhatsAppを使って、「『異性愛(Heterosexuality)』と書かれた棺の前で男の子が花束を持って立っている」というイラストをラウルさんに送るというもの。これはちょっと前にネットでミームになったイラストで、意味は「わが異性愛よ、やすらかに眠れ」。

このイラストで息子の言いたいことを悟ったラウルさんは、マルティニアノさんにこんな言葉を投げかけたのだそうです。(動画クリックで音声が再生されます)

音声でお父さんが言っていることをざっと和訳すると、こんな感じ。

「今の父さんが、昔おまえがままごとのおもちゃを買いたがったときの父さんとくらべてどんな風なのか、すっかりわかるように説明するよ。昔は、おまえに男の子であってほしいと望んでいた。今の父さんが何を望んでいるか、わかるかい? お前が幸せで、健康で、安全であることだよ。ありのままのおまえでいてくれ。父さんはそのままのおまえを愛してるし、おまえが、そして父さんの人生が、そのことを教えてくれたんだ。幸せでいてほしい。なりたい自分になってほしい。おまえが自分でこうあるべきだと感じるものに。それだけだ」

"Para que termines de entender cómo estoy ahora con respecto a cómo estaba cuando vos querías comprar la cocinita: yo antes quería que vos seas un varoncito. Ahora ¿sabes qué quiero? Que seas feliz, sano y seguro. Seas lo que seas. Te amo como sos y eso me lo enseñaste vos y me lo enseñó la vida. Quiero que seas feliz. Siendo lo que vos quieras. Lo que vos sientas que tenes que ser, nada más."

ここでマルティニアノさんが添えているコメントは、「親父に自分はゲイだって話したら、こんな風になった。今泣いてる」。そら泣くわ、こんなやさしい声でこんなこと言われたら。

このツイートがバズった後でお父さんがマルティニアノさんに送ってきたという、こんなメッセージ(写真つき)もいいんですよ。

親子のやりとりを訳すと、こんな。

(お父さんからマルティニアノさんへ、息子の肩を抱いて笑っている写真を添えて)「みんながわたしたちを見られるように、この写真もアップロードしたよ」

(マルティニアノさんからお父さんへ)「OK._.」

MinutoUnoによると、昨年7月にマルティニアノさんのお母さんのアレハンドラ(Alejandra)さんが亡くなって以来、父子はつらい思いをしてきたとのこと。マルティニアノさんはもともとお母さんにカミングアウトするつもりだったのに、その前にお母さんが亡くなってしまい、それで今回こうして遠回しにお父さんにゲイだと打ち明けることになったのだそうです。お父さんはMinutoUnoの取材で「最初はショックを受けました。親というものはみな、それぞれ自分の子供はこうなるだろうという物語を思い描くものですが、それを突然変えなくてはならなかったので」と打ち明けつつも、このカミングアウトを経て父子の関係はいっそう親密になったと話しているそうです。

「息子は明らかに以前より社交的になり、より幸せになりました。その上、彼は自分には信頼できる父親がいるのだということがわかっているのです」とラウルは要約した。

“Sin lugar a dudas mi hijo está mucho mas sociable, más feliz y además sabe que tiene un padre en quien confiar”, resumió Raúl.

これ以上泣かすなよう。親子ともども今後ともお幸せにねー。