- アーティスト: マーセロ・ザーヴォス
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2004/01/14
- メディア: DVD
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見る価値なし
クソ映画です。見る価値なし。
なんでこれが巷で「等身大のシングルのロマンティック・コメディー」なんて言われてるのか、皆目見当がつきません。DVDで鑑賞したのですが、あまりにもしょーもないので、30分おきにお茶とおやつの時間を入れて元気を取り戻さないと見てられませんでした。
ストーリーは、「モテないノンケ女が、日照りのあまり錯乱してバイセクシュアル女と付き合おうとする。しかししょせんは愛よりもセックステクニックにしか興味がない偏見ガチガチのバカなので、関係はうまくいかない」といったもので、冒頭から結末まで異性愛至上主義/異性愛中心主義の臭いがむんむんしています。レズビアン映画というより、偏見女の「なんちゃってレズ」体験を描いた映画ですね、これは。
偏見女ジェシカ
そもそもこれは「おねーちゃん同士のちゅーがある」という理由だけでがんばって見た映画なのですが、そのちゅーシーンですら最悪でした。なんつーか、愛がないんだよね。主人公ジェシカが初めて女性からちゅーされた直後の、眉間に皺のよった醜悪な表情ときたら。うえ。そんなに女同士の関係がイヤですか、と悲しくなっちゃうよ。
だいたいこのジェシカの偏見女っぷりがものすごくイタイ。 なんつーか、先入観で人を見下しまくるタイプなんですよ。道端で踊ってる人を見て、あんな連中は愚かだとか怠け者だとか気持ち悪いとか言いたれ、それに比べて自分がどんなに立派かとうとうと語りやがるし。女と付き合おうとしたのだって、ただの好奇心と現実逃避であって、同性同士の関係というものを軽視しまくってるし。実にムカつく女で、最初から最後まで感情移入できませんでした。
失礼なジェシカ
両性愛者を名乗るヘレンの恋人募集広告に自分から応募しておきながら、
「今までレズビアンって気持ち悪いと思ってた」
と言い切るジェシカってものすごく失礼だと思います。 それでもヘレンにちゅーされて(例の醜悪な表情でですが)、翌日上機嫌になったりしてるから、ひょっとしてヘレンが好きになったのかと思いきや、ぜんぜん違うんですよこの人。この女の頭の中にあるのは女性同士のセックスに対する好奇心だけで、愛なんざひとっかけらもないんです。
チキンなジェシカ
しかしジェシカ、そんなにも女性同士のセックスに興味しんしんなのに、いざとなると腰がひけちゃってものすごく長い間ヘレンにお預けをくわせるの。はっ、ヘタレな「お試しゲイ」や「なんちゃってレズ」のやりそうなことだぜ、チキンめ。
ちなみに、ジェシカのこの「お預け」については、お堅いユダヤ教徒だからとする説が多いようだけど、それを言うならTVドラマqueer as folkのレズビアンキャラ・メラニーだってユダヤ人なんだけどな。宗教のせいじゃなくて、単にこの女がバカなだけでしょう。
馬鹿ノンケ同士の「お試しゲイごっこ」
ジェシカのお相手のヘレンってのが、またよくわからない女です。バイセクシュアルという設定にもかかわらず、「女とも寝られるノンケ」にしか見えないんですよねこの人。ちなみに、映画の中ではヘレンと男とのセックスシーンばかり描かれ、ジェシカとのベッドシーンはほのめかされるのみです。
もっとも、ヘレンのゲイ友に
「君はペニスが好きだろう」
「君はゲイを侮辱してる」
「ゲイの真似をしてもゲイにはなれないんだ。君は違う」
などと非難されてるあたり、彼女も最初からノンケだという設定なのかも知れないけど、なんかねー。映画全体が「馬鹿ノンケ同士のお試しゲイごっこ失敗例」に見えちゃうよ。
結論
この映画を女同士の関係に期待して見てはいけません。レズビアン(バイセクシュアル)ワナビーなノンケって馬っ鹿ねー、と笑うために見るのなら、まだいいかも。しかし正直なところ、レンタルDVD代すらもったいないような気もします。とにかく近年まれに見る駄作でした。