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ラブラブ仲良し姉妹百合
親をなくした姉妹・山田きょうとあすの中睦まじい貧乏生活を描く物語。全4巻を一気に通読したのですが、下手な恋人同士よりよっぽどお互いのことを想い合い、大切にし合う2人の姿がとてもよかったです。同性愛要素どころか恋愛要素すらないストーリーなのですが、この姉妹のラブラブ仲良しっぷりは、きっぱりと「姉妹百合」に分類しちゃっていいんじゃないかと思います。金銭的には貧乏でも、ものすごく贅沢な「愛」や「想い」に頭の先までどっぷり漬かってるんですね、このふたりは。そこが実によかった。
きょうとあすが家賃2万6千円(フロなし1K・築40年)のアパートで繰り広げる極貧生活はそれはそれは大変そうですが(事実、ごはんをもやしで増量するとか、電気を止められて二人羽織で暖をとるとかいう苦闘っぷりです)、この2人にとっては、大好きな妹/姉と一緒なら、そんなことは全然苦じゃないんですね。姉妹一緒なら「拾ったテレビで見るドラマ」や「銭湯で大事に半分こして飲むフルーツ牛乳」も宝物、というのがとてもよく伝わってきて、読んでいる間じゅう幸せな気分になれました。お話の途中から、天涯孤独だと思っていた姉妹に叔母さんが現れたりして、物語はやや波乱含みにもなるのですが、それでも2人の「大好き」パワーが最後までまったく揺らぐことがないところがまた素敵でした。
唯一の難点は、1巻前半の各エピソードが短すぎて(短くて2P、長くても8Pです)、お話に入っていきづらいところ。前半しか読まないと、ただのキャラ萌え漫画に見えてしまうかもしれません。後半からは各話のページ数も増え、ストーリーがどんどん動き始めるので、ためしに1巻を読まれる方は是非後半まで通読してみてください。はまりますよー。