石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!?(1〜2)』(石田あきら、芳文社)感想

帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!? (1) (まんがタイムKRコミックス)

帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!? (1) (まんがタイムKRコミックス)

帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!? (2) (まんがタイムKRコミックス)

帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!? (2) (まんがタイムKRコミックス)

キャラに深みのある百合4コマ(4コマだけじゃないけど)

こりゃ面白いや。いわゆる萌え4コマ系の、百合要素ありの漫画なんですが、まず主人公クリス(♀)に惚れているメノア(♀)というキャラがとても魅力的なんですよ。さらに、キャラたちに深みがあって、ただの薄っぺらい萌え4コマとは一味違う話になっているところもいいです。また、4コマとストーリーが交互に来る変わった構成なども新鮮で楽しかったです。

メノアがいい!

健気で真摯ですげー可愛いのに、クリスのこととなるとおそろしく行動力があったり、怒ると怖かったりするところがナイス。あと、2巻でクリスの寝顔を見ながら頬染めてあんなことをしているのがもう可愛くて可愛くて。下手なエロマンガよりドキドキしますな、ああいうシチュエーション。

キャラクタの深み

一見ただの明るいキャラたちにも実はそれぞれ深い哀しみや葛藤があり、そのことがお話に奥行きを与えています。実際、1巻p37の1コマ目のクリスの表情とか、2巻p77のジークとか、ただの陳腐な萌え漫画では絶対に醸し出せないドラマを感じさせると思います。この漫画は基本的には明るいコメディ(ギャグ要素もいいですよー!)なのに、展開が気になってハラハラしてしまうのは、そうしたドラマが要所要所で光っているからなんでしょうね。

一風変わった構成

4コマとストーリー漫画が交互に来るという変わった構成が、不思議なリズム感を産み出しています。ちなみに4コマがギャグでストーリーがシリアスといった分業はなく、どちらも「基本コメディ、でもときどき深かったりかっこよかったりしみじみしたりする」という路線です。4コマでかっちりとした起承転結を楽しんだり、ストーリーの大ゴマでばーんと活躍するキャラたちを眺めたりを交互に楽しめるというのはなんとも贅沢な感じでした。

その他

とても絵がうまい作家さんなのですが、ゲーム好きな方なのか扉絵にRPGの防具(レザーアーマーとか、フルプレートとか)姿のキャラ絵が複数あり、どれもかっこよくて見惚れてしまいました。表紙裏のアクションゲームネタも楽しかったです。

まとめ

とにかくメノアがいいです。メノアを見るためだけでも買う価値ありです。その上、それ以外のキャラも皆魅力的だわ、伏線がいっぱいで先が気になるわ、ギャグ漫画としても純粋に楽しいわで、めちゃめちゃお買い得だと思いました。実は2巻まで買って積んであったのを今日初めて読んだのですが、調べたら既に3巻も出ているようなので、さっそく続きを読んでみるつもりでいます。