- 作者: 深見真,うなじ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 文庫
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待っててよかった!
パラベラムシリーズ第3作。強烈に面白くて、個人的には1~3巻の中でこの巻がいちばん好きだと思いました。以前から、「『武林クロスロード』がハイパワーで相手をなぎ倒すタイプの武術だとすると、『パラベラム』はもっとマイルドな太極拳あたりかなあ。でも、太極拳は太極拳でも、激しい動きや発勁をともなう陳式あたりかも」と思っていたのですが、この3巻はまさに発勁しまくり。お話がそこここで爆発的に躍動しまくっていて、初めて『ヤングガン・カルナバル』を読んだときのようなゾクゾク感がありました。いやー、楽しかった! 待っててよかった!
伏線ががっつり生きてます
とにかく構成が緻密かつダイナミック。たくさんの伏線が要所要所でこれでもかとばかりに生かされ、クライマックスではまるでジグソーパズルのピースが音を立ててビシバシはまっていくのを見ているかのごとき快感が味わえました。1巻の謎解き要素はやや薄口かなと思った自分ですが、この3巻の謎解きはまるでマシンガンの固め撃ちのように強力で、質量ともにたっぷり。「やられたー、あれはこういうことだったのか!」と驚かされた後にもまだまだ驚きの事実が次から次へ出てきて、読んでいてすごく楽しかったです。
レズビアン要素もたっぷり
レズビアン要素は1~2巻より明らかに増えており、今回は身体の関係もはっきりと出てきます。それも複数箇所で、です。それにしても睦美のバイトには、仰天しつつも「でも、睦美らしいかも」と笑わせてもらいました。ふふふふふ。
あと、この作品では女女関係だけじゃなく、男女関係も男男関係も当たり前のように出てくるのが嬉しいところです。「恋愛なんて何でもあり」的な、どことなく肩の力の抜けた雰囲気がいいんですよね。実際、尾褄と勇樹(注:両方男)がお互いを意識して顔真っ赤にしてるところなんて、レズビアンのあたしから見ても可愛くてしょーがなくて、ほのぼのしました。
トラウマ描写について
一兎や志甫の心の傷の描写が、これまでよりもずっしりと胸に迫ってくる感じでした。「クロスドレッサー」の奇怪な殺しぶりの理由にも確かな説得力があり、おまけに背筋を凍らせる凄みもあってよかったです。これらの要素のおかげで、お話全体に終始よくできたサスペンス映画のようなテンションが保たれていたと思います。
アクションについて
第1章で一兎が夜の街を跳躍するあたりからしてすでに映像が頭に浮かびまくります。特異なパラベラム「クロスドレッサー」の戦闘シーンも、うなじさんの絵とあいまってすげえ迫力でした。ヤングガンを読み終えたときもアクションシーンにうずうずして自分も身体を動かしたくなり、アホみたいにヘビーな筋トレをしてしまったあたしでしたが、これを書いている今も運動したくてしょうがないです。アップしたら速攻で身体を鍛えまくってきます!
余談
大槻ケンヂネタが複数出てきてウケました。睦美がiPodで聴いてた曲にも。
まとめ
アクションも心理描写もレズビアン要素も充実、謎解き要素もばっちりで、シリーズ3作中ベストの作品だと思います。パラベラムを読むなら、必ずこの3巻まで読まなきゃもったいないです。いやー、堪能した。よかった。さあ運動してくるぜ!