帝立第13軍学校歩兵科異常アリ!? (3) (まんがタイムKRコミックス)
- 作者: 石田あきら
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: コミック
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いよいよ目が離せない!
軍学校百合漫画(と書くとすごいイメージだな)の第3巻です。レギュラーキャラに暗器使いのお姫様トウキが加わって、お話がさらにダイナミックに動き出し始め、ハラハラワクワクしながら読みました。卓越した百合ネタやギャグも健在ながら、帝国周辺のきなくさい事情もいくつか明かされ始め、いよいよ目が離せなくなってきた感じです。
トウキについて
2巻ではまだ名前が明かされなかったトウキですが、美人で強くて肝がすわっていて大変に魅力的なキャラだと思います。暗器で戦うシーンも格好よすぎて惚れそうです。また、トウキの母国オウカは今後のストーリーでかなり大きな役割を果たすことになりそうで、そういう意味でも非常に気になるキャラクタですね。個人的にはあの露出度の高い衣装も好き。
百合ネタについて
歩兵科に留学してきたトウキがクリスにかます百合ギャグの数々がおかしくておかしくて。例えば、クリスに「なんで歩兵科に留学したの?」と訊かれて、クリスを熱く見つめながら「そちのためじゃ……」と答えてみたりとか。もっとやばそうなシーンもあるのですが、いずれもクリスがノリノリで頬染めて「え……」「そんな……」などと答えており、そのコマだけ世界が違ってて笑えます。
トウキのこうした言動はマジではなくておそらく冗談(そして、クリスも冗談だと思ってる)なんですが、注目すべきはそのたびにムキーッとなってるメノアの可愛さですね。1巻2巻のメノアも可愛かったけど、ライバル登場でうろたえてむきになるメノアもまた極上の愛らしさです。メノアがクリスを好きなことをわかっていてさりげなくフォローするクレアの優しさもよかった。
帝国周辺の動き
帝国がこれまで行った侵略の話や、現在の周辺国の思惑などが少しずつ明かされ始め、いい感じで物語のテンションが高まってきています。特に一行が馬車で帝都へ向かうシークエンスは必見。一見のどかな会話のなかにあれだけのドラマが仕込まれていることに魂が震えました。憶測ですが、この場面で暗示されているとあるキャラの過去がその通りなら、いずれその人はあの人と対決することになり、それがこのお話の最大の山場となるのではないでしょうか。すげーすげーすげー。やっぱりただの薄っぺらなキャラ萌え漫画なんかとは全面的に違うぜ、こいつは!!
その他
- お約束の入浴シーンの「ちちくらべ」に笑いました。見事なグラデーションだ……。
- 帝都で川べりの貧民を見かけるシーンでは、「なんで助けてあげないの?」と驚くクリスの純朴さと、貴族キャラたちの諦念とのコントラストに胸打たれました。あくまでさりげなく描かれてはいますが、ここには、現代日本の社会にも通じる苦さと痛みがはっきりと存在します。こうした要素がお話全体をひきしめ、読者をぐいぐいと物語世界に引きつけてくれていると思います。
- カバー裏の格ゲーネタ、「やられた!」と思いました。まさかこうくるとは。それにしてもこのキャラ、使ってみたいです。
まとめ
キャラたちの可愛さも百合ギャグの面白さも健在でありながら、お話そのものがダイナミックに動き出している極上の1冊でした。今後の展開から目が離せません。