石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『正義研究会セレナード(2)』(よこやまなおき、キルタイムコミュニケーション)感想

正義研究会セレナード (2) (ヴァルキリーコミックス)

正義研究会セレナード (2) (ヴァルキリーコミックス)

  • 作者: よこやまなおき
  • 出版社/メーカー: キルタイムコミュニケーション
  • 発売日: 2008/03/29
  • メディア: コミック
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戦隊物に魔法少女物が加わった百合コメディ

今回も破天荒で面白かったです。ちなみに1巻は「エロくて百合でコミカルな戦隊物」という位置づけの作品だったのですけれども、この2巻ではなんと魔法少女物の要素まで加わってます。なお、オンナノコスキーなセレナの飛ばしっぷりは相変わらずで、今回もいろんな女のコに発情しまくり。ただし、かのとの間柄に進展はなく、これはもうよくある「レズビアン=ニンフォマニア」型のコメディと割り切って読んだ方が良いかと。救いは、セレナがただの変態ではなく、強さをかねそなえたかっこいい変態であることですね。

魔法少女参入

新キャラ「ジャスティ・ホワイト」こと櫻乃宮白(さくらのみやパイ)が、ややこしいことに「魔砲少女ディスティーハート」として登場。戦隊ヒーローにも魔法少女にも変身できる強力なキャラとしてお話を引っかき回します。ちなみにエロ担当としても重要ですよこの人。特に、魔法少女物のセオリーをきっちりおさえつつ異様に露出度の高い変身シーンなど、お好きな方にはたまらんかと。

セレナの飛ばしっぷり

敵の美少女にいきなりキスするわ、キスだけじゃなくてあんなこともこんなこともするわ、ディスティーハートのエロ同人誌を読みたがるわ(その同人誌を描いてるのが蒼也ってのもどうかと思うが)、まーたん隊長のあんなシーンを勝手に想像してハァハァするわ、etc, etc.と、今回もセレナの女好きっぷりはとどまるところを知りません。かのとの仲は全然盛り上がっていないので、多分今後もこういう諸星あたる型の多情キャラとして活躍していくのではないかと。

ただしこの漫画、オンナノコスキーなキャラはセレナだけではないんですよね。ていうか、女性キャラの半数以上が女好きなため、「色情狂としてのレズビアンVSそれに迷惑する『まとも』な異性愛者たち」というよくある対立構造が全然ないんですよ。こういう描き方なら、ニンフォマニア型のレズビアンというキャラ設定も充分ありだなあと思いました。

セレナの強さとかっこよさ

「主人公が絶体絶命の危機に陥り、それを乗り越える」とか、「自分の強さに絶対のプライドを持つ」とか、「強い敵と戦ってワクワクする」とか、そういったヒーロー物の王道シークエンスが山ほど出てきて、実に楽しかったです。んで、実際、そういう場面のセレナはえらくかっこいいんですよ。バカで変態だけど同時にとてもかっこいい、という、きわめて魅力的なキャラだと思います。

その他

蒼也の相変わらずのヘタレっぷり&ヲタっぷりに加え、今回はハカセもかのも立派な変態っぷりを発揮しています。敵にまで「うっうっ お前ら変態ばっかりでもう嫌だぁー」と絶叫されているところがナイスでした。正義って実はかなりうさんくさいものだと思うんですが、こういう己に正直すぎるほど正直な戦隊ならかえって信用できる気がします。

まとめ

セレナとかののラブ度は進展なしですが、これはこれでありだと思います。破天荒な面白さは相変わらずだし、セレナのエロさおバカさかっこよさも楽しく、買って悔いなしの1冊でした。