
- 作者: カトウハルアキ
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/10/16
- メディア: コミック
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夏の風景の断片を積み重ねた1冊(微妙に百合風味あり)
女のコだらけの群像劇、第4巻。濃厚な夏の気配が楽しい1冊でした。今回もストーリーの大きな流れはなく、飄々とさまざまな風景を切り取って積み重ねていくという手法が取られています。百合方面に関しても大きな変化はなく、ところどころにごくかすかな「百合っぽさ」が漂う程度かと。ちなみにあくまでお話のメインは夏っぽさの方であって、百合っぽさはサブですね。
かすかな百合っぽさについて
今回もっとも面白いと思ったのは、プールのウォータースライダーのエピソード。高いところが苦手な龍姫が思わず虎子にしがみついたまま滑り降りるという場面があるんですが、そこの描写が妙にオーガズミックでエロいんですよ。もちろんこの両者に恋愛感情等はないし、やってること自体は単にスライダーを滑り落ちるだけなんですが、1ページ丸々使った描き方が無駄に色っぽくて楽しかったです。
その他はほぼいつも通りに冬馬が虎子に対して赤面したり、子々が鼻血を噴いたり、鬼百合が虎子を愛でたり、歩巳が後ろから「だーれだ」と乳を揉まれたりといった具合。たぶんこのままのノリで最後まで行くんだろうなあと思います。これはこれでさっぱりしていて面白いので、オールOK。
ちなみに前回までは子々が不特定多数の女子にセクハラばかりしていて「女が好きな女=見境のない色情狂」というステレオタイプをなぞっているところが嫌だったんですが、今回はそこまで露骨なシークエンスはありません。よかったよかった。
その他
- 全体に漂う夏の雰囲気は見事。「水着さえ出しときゃいいや」的な安易な画面ではまったくなく、どこを取ってもむせかえるほどの「夏」の気配が漂っています。
- とある男女キャラが妙に接近しているところが興味深いです。カップリング成立フラグなんでしょうか。
まとめ
恋愛方面を重視する方には向きませんが、さっぱりしたかすかな百合風味が楽しい1冊でした。子々の言動がこれまでほど偏見チックでないところも、よかったです。