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傑作伝奇百合アクション
面白かったー! この『箱館妖人無頼帖ヒメガミ』は、一種のパラレルワールドである「冥治」時代の「箱館」なる場所を舞台とする伝奇アクション。人外の秘術<新撰組の封印>を狙う異国の<妖人>(ようじん)たちを相手に、主人公のボーイッシュ少女彪(ひょう)と変身ヒロイン「ヒメガミ」ことヒメカが戦うというストーリーです。彪とヒメカの心のつながりがすごくいいし、伝奇テイストとエロティシズムと迫力あるアクションとの融和もすばらしい。何より、「ヒメガミの世界」としか言いようがないユニークな世界観が面白いです。
彪とヒメカのつながり
1巻あたりから既にヒメカの「彪ちゃん大好き」度がすごいんですけど、それが「まず百合ありき」な予定調和のやっつけいちゃこらではぜんぜんないところがとてもいいです。ふたりの仲にはきちんと伏線が張られており、それがついに回収される4巻でははからずも目から変な汁が出ました。3巻帯の、
という言葉は伊達じゃないですよほんとに。あなたは誰よりも大切な、あたしの半身――――。
伝奇要素、エロティシズム、そしてアクション
高い画力がこの3つをきっちりと支えています。怪物と化した<妖人>たちの怖さ&不気味さ、女体のラインや彪とヒメカの関係の色っぽさ、そして重厚なアクションなど、どれもとてもよかったです。特に女体のエロさは特筆ものですよ。「一般誌でこんなにエロい尻描いちゃっていいんかー!」とか思いましたもん。
ユニークな世界観
和風伝奇なだけじゃなく、西部劇っぽさやアメコミっぽさも併せ持つところが斬新で、楽しかったです。たとえば彪が住むキャバレーが西部劇の娼館風だったり、ヒメガミの露出度多めのコスチュームが「アメコミヒロイン+鬼+忍者」風のデザインだったりするんですよこの漫画。また、デザインだけでなく、サンドクリークの虐殺などの史実を巧みに織り込んだストーリーにもゾクゾクさせられました。その一方で話の柱には新撰組が必要不可欠な役割を担っていたりして、とにかく「和」と「洋」をミックスさせた独特の面白さを作り出すのが非常にうまい作品だと思います。
まとめ
「和洋折衷伝奇+百合」な、超絶オモシロアクション漫画だと思います。百合漫画としても、エロティックでスリリングな伝奇アクションとしても共におすすめです。2009年3月に出るらしい5巻(最終巻)が今からとても楽しみ。