COMICリリィ v.3 (RICE RIVER COMICS)
- 作者: アンソロジー
- 出版社/メーカー: ライスリバー
- 発売日: 2010/03
- メディア: コミック
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見るべきものはほとんど無し。Vol.4からは買いません
ライスリバーが2009年11月に創刊した百合アンソロの第3巻です。Vol.1からずっと読んでいるのですが、今回も
- ハンコ絵多数
- バストアップばっかの作品多数
- キャラの心情をひたすら台詞やモノローグで説明する作品多数
という傾向が少しも改善されておらず、とても商業作品とは思えない水準だと感じました。さらに、「ファーストキス」(杜講一郎×さくらあかみ)の、
いや……でも…さすがに女の子同士でキスってのは…ちょっと
というやりとりにも、心の底からうんざり。ちなみにはてなキーワードによれば、ノーカンとはつまり、大丈夫ダイジョウブ 女同士は大丈夫(ノーカン)*1だから
ですよ。女性同士の関係を禁忌ととらえるのも、「数に含まない/無かったことにする」ことができるぐらいどうでもいいものとして扱うのも、同じくらい失礼っすよ。結局このシークエンス(ちなみにキスシーンです)は、「男女の愛>女女の愛」という異性愛中心主義を、別方向から2度繰り返してアピールしているだけ。わざわざ百合漫画でそんなもん見たくないわ。ノーカウントの略 数に含まない/無かったことにするという意味
なお、このVol.3で唯一良かったのは、「愛しのカバー・ガール」(楽時たらひ)。ストーリーの流れはやや予定調和的ではありますが、表情がとてもいいし、最後まで微妙にひねくれている主人公の心理も面白かったです。
まとめ
相変わらず漫画としての質に疑問を覚える作品が多いし、異性愛主義も鬱陶しいしで、このへんがそろそろ限界かなあと。あたしがこの手のアンソロを購入する主目的は、「すぐれた百合作家さんをチェックするため」なのですが、残念ながら「comicリリィ」はその目的にはあまり合わないと判断しました。Vol.4以降はおそらく買わないと思います。
*1:原文では「ノーカン」は「大丈夫」のふりがなとしてふられています。