- 作者: 方條ゆとり
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/02/22
- メディア: コミック
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ちょっと定型的すぎるんでないかと。
ネットロア(ネット上の都市伝説)から生まれた霊を収集する少女「クロエ」と、ひょんなことからネットロアのひとつに憑かれてしまった少女「キョウ」の物語。百合だ、という噂を聞いて買ってみたのですが、お話が定型的すぎる点と、絵が「顔ばっかり」に見えてしまう点などから、残念ながらあたしには合いませんでした。百合としてもかなり薄口。キャラたちが使う広島弁は、読んでて楽しかったんですけどね。
設定に既視感ありすぎ。
ネットロアがなぜかカードの中に「収集」できて、しかもなぜか収集したネットロアの能力を使えるようになるという設定が唐突すぎて、ちょっと頭がついて行きませんでした。アニメやゲームで既視感ありまくりの設定であるだけに、せめて、「なぜそんなことが可能なのか」という部分でオリジナリティあふれる大ボラのひとつもついて欲しかったところです。既存のパターンを適当に流用するだけで読み手が納得すると思ってほしくないわー。
顔ばかりが目立つ印象
別にバストアップばかりというわけではなく、ロングショットも普通に存在するのですが、なんでか絵の印象は「顔ばっかり」。表情の変化が少ないために「このキャラ何考えてるんだろ」と顔ばかり見入ってしまうためでしょうか。絵そのものは可愛らしいのですが、顔と身体の表情に、もう少し漫画漫画したダイナミズムが欲しいような気がします。
百合と呼ぶにはかなり薄口
クロエがキョウに執着したり守ろうとしたりするあたりが、微百合と言えば微百合かも。が、上記の欠点を押してまで買い続けたい! と思わせるほどの魅力は、残念ながら感じられませんでした。
唯一面白かったところ
全寮制お嬢様学校というこれまた手垢のついた設定でありながら、その学校の所在地をあえて広島にするというところが面白かったです。生徒たちの広島弁が新鮮でした。これだよ、こういう「何か他では読めない要素」がもっとほしかったのよ。
まとめ
オタ的な「お約束」に素直に乗れるかどうかで評価がまっぷたつに分かれる作品かも。萌え絵の美少女キャラが既製のパターン通りに動いてくれれば満足な方にとっては、これはれっきとした良作であるのかもしれません。でも、「どうせなら巧い嘘で騙してくれ」「なんか新しいもん見せてくれ」と思ってしまう人には、あんまり向かない作品だなあと。百合ものとしてもきわめて薄口で、おすすめしません。7月に2巻が出るはずなんですが、買うかどうするか非常に迷うところです。