英国ケント州の動物園で、フンボルトペンギンの雄同士のつがいが、他のつがいが放棄した卵をあたためて雛を孵しました。このゲイ・ペンギンは「この公園で飼った中でも最高の親ペンギン」だと動物園の持ち主トニー・ビンスキン氏は語っています。
詳細は以下。
BBC News - Gay penguins in Kent zoo are 'the best parents'
この2羽の雄ペンギンの名前は、ジャンブス(Jumbs)さんとカーミット(Kermit)さんといいます。ウィンガム野生動物公園(Wingham Wildlife Park)に住む彼らは、2012年から雄同士でつがいになっているとのこと。この2羽は同じ動物公園の雌ペンギン、イソベル(Isobel)さんが産み落として世話しなかった卵をあたため、2014年4月12日、無事雛が生まれたのだそうです。
ちなみにイソベルさんが卵を見捨てたのは、異性パートナーのハリケーン(Hurricane)さんが卵をあたためようとしなかったから。ハリケーンさんは「とても思いやりがない」タイプで、これまで何度イソベルさんを妊娠させても卵の世話をしようとしなかったのだそうです。
ペンギンは通常、つがいが交替で卵をあたためるため、1羽だけで雛を孵すことはできません。餌を取りに行っている間パートナーが卵の上に座っていてくれなければ、卵は冷えてしまいます。イソベルさんの育児放棄(育卵放棄?)は、そのせい。そこで人間が卵をジャンブスさんとカーミットさんに託したところ、うまく行ったというわけ。
公園の持ち主、トニー・ビンスキンは語った。「目下のところ、この2羽はこの公園でこれまで飼った中でも最高の親ペンギンのうちに入ることがわかりました」
Park owner Tony Binskin said: "These two have so far proven to be two of the best penguin parents we have had yet."
「わたしたちはまだフンボルトペンギンを繁殖させる努力を始めたばかりで、繁殖に取りかかって2年目なのですが、必要ならこのようなすぐれた代理親があてにできるというのは思いがけない大きな贈り物です」
"We are still very much starting our breeding efforts with this species, and this is only our second year of breeding, but having such good surrogate parents available should we need them is a huge bonus for us."
それにしてもハリケーン(もはや呼び捨て)ってば、ひどいやつだ。しかし、これってなんだか人間界でもよく聞く話のような。詳しくは以下をどうぞ。
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- 子ども10人、パパ2人。あるゲイ・ファミリーの物語。 - みやきち日記
なまじペンギンの方が、同性同士のつがいに向かって「『生物学的に』おかしい」だの「『自然に』反している」だのという似非科学を振り回さないだけ人間より賢いかもしれませんね。なお、BBCの元記事には雛も含めたこのゲイ・ペンギン一家の動画があり、とてもかわいらしいです。ぜひそちらもご覧あれ。
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