2014年9月4日、米国の第七巡回区控訴裁が、ウィスコンシン州とインディアナ州の同性婚禁止を違憲とする判決をくだしました。
詳細は以下。
Wisconsin And Indiana Same-Sex Marriage Bans Unconstitutional, Appeals Court Rules
リチャード・ポズナー(Richard Posner)判事の判決文が興味深かったです。
このふたつの訴訟は詳細に述べられてはいるが、判決を下すのはきわめて簡単である。異議を申し立てられている法律は、変えることのできない性質によって定義されているマイノリティーを差別しており、州が唯一確信を持って提出している理論的根拠、すなわち「同性カップルは意図しようとしまいと子供を作れないのだから、同性カップルとその子供たちには結婚は必要ない」という根拠は、あまりにも穴だらけで、真面目に受け止められるものではない。
Our pair of cases is rich in detail but ultimately straightforward to decide. The challenged laws discriminate against a minority defined by an immutable characteristic, and the only rationale that the states put forth with any conviction— that same-sex couples and their children don’t need marriage because same-sex couples can’t produce children, intended or unintended—is so full of holes that it cannot be taken seriously.
この「穴だらけ」の部分が理解できない方は、まず以下のゲイ・ファミリーのInstagramやYouTubeチャンネルでもごらんになってみては。「同性カップルは子供を持てない/持たない」という発想がいかに現実とズレているか気づくチャンスです。
http://instagram.com/kordalenkaleb
それでもまだ腑に落ちない方は、「ジョージ・ワシントン(無精子症だったと言われています)も日本の安倍首相も、子供をもうけることなく結婚している」という事実に思いをはせてみてはいかがでしょう。結局のところ、結婚は別に子作りする人専用の制度なんかじゃないんですよね。同性カップルが結婚から排除されている本当の理由は、単に「同性カップルだから」というだけのことであり、生殖云々はその排除を正当化するため後からくっつけられた言い訳でしかありません。こんな理屈が通ると思ってる人の脳ミソこそ、「穴だらけ」だわ。
さて、ウィスコンシン州の弁護士がAPに語ったところによれば、同州はこの件を最高裁まで持ち込む予定とのこと。これにより米国では、計32州が同性婚についての司法判断を最高裁に仰ぐこととなりました。早く全部さっくり片付くといいですねえ。