石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

結婚式をぶち壊された米ゲイカップルに地域住民が寄付 式の「やり直し」支援

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米カリフォルニア州コロナドの公園で、ゲイカップルが結婚式の最中にホモフォビックな暴言を浴びせられるという事件がありました。町の人々はこれを看過せず、一致団結して寄付を集め、ふたりがもう1度式を挙げられるようにしたそうです。

詳細は以下。

Residents, merchants plan 'do-over' wedding for couple who got heckled | UTSanDiego.com

このカップル、オスカー・デ・ラス・サラス(Oscar de Las Salas)さんとゲイリー・ジャクソン(Gary Jackson)さんは、2014年9月にコロナドの公園で結婚式を挙げました。そこで何が起こったかは、以下の動画に詳しいです。

つまり、公園近くのマンションのバルコニーあたりからわざわざ「ホモ」「帰れホモ」などと罵声を浴びせた人がいたんですね。

日本だったら「そんな目立つところで式を挙げる方が悪い」とか、「不快に思う人もいるんだから仕方ない」とかなんとか言われて終わりかも。でも、コロナドの人々は違いました。このニュースが報じられるやいなや、企業主や住人たちが力を合わせて、ふたりが式の「やり直し」をできるだけの寄付を集めちゃったんです。以下、元記事より引用。

「コロナドの人たちは、わたしたちに起こったことを許せないと言って、ハッピーエンディングを創り出してくれました」オスカー・デ・ラス・サラスは述べた。彼は来週、ゲイリー・ジャクソンともう1度結婚式を挙げる予定だ。「こうなるとは思ってもいませんでした。信じられません」。

“The people of Coronado, who said they wouldn’t tolerate what happened to us, have created a happy ending,” said Oscar de Las Salas, who will marry Gary Jackson again next week. “We never expected this. It’s incredible.”

「1人の人の憎しみに満ちた叫び声に、このコミュニティ全体のふるまいを代表させるわけにはいきません」とケーシー・タナカ市長は木曜に発言した。彼は来週、やり直しの結婚式を聖職者としてつかさどることになっている。「この街がやり直しの機会を持ててよかったです」

“The hateful shouts of one person should not serve as a representation of how our community as a whole behaves,” Mayor Tanaka, who is scheduled to officiate next week’s do-over wedding, said Thursday. “I’m happy our city has a chance to make things right.”

ここでこのコロナドの人たちがコミュニティ全体のふるまいとして選んだのが「差別者の吊し上げ」ではなく「このカップルにもっとポジティブな経験をしてもらうこと」だったというのがまたすばらしいと思います。マイナスを圧倒的なプラスで埋めてしまうというこの行動力、見習いたいです。

ちなみにこの「やり直しの結婚式」の発案者は4人の若い女性で、最初は単に小さなパーティーを開くつもりだったとのこと。しかしその後、コロナドのリゾートホテルが300人収容できる会場を提供し、レストラン・チェーンは料理を、ケーキ屋はウエディングケーキを、イタリア料理店はシャンパンを……とどんどん寄付が増えていったのだそうです。他にもたくさんの寄付があり、総額1万5千ドルから2万ドルぐらいの式が可能になったとの由。

デ・ラス・サラスさんたちの2度目の結婚式は、2014年10月11日に予定されています。ステキな報告が読めることを、今から楽しみにしています。