石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ゲイ・ウエディングへのサービス提供拒否した花屋、上訴を断念し和解金5000ドル支払う 米国

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ゲイカップルに結婚式用の花を売ることを拒否して訴えられ、州最高裁で2度負けた米国ワシントン州の花屋が、連邦最高裁への上訴を断念してこのカップルに和解金5000ドルを支払いました。

詳細は以下。

justthenews.com

この花屋、アーリーンズ・フラワーズ(Arlene’s Flowers)の店主Barronelle Stutzman氏は、2013年にゲイカップルのRobert Ingersoll氏とCurt Freed氏の結婚式のための仕事を断ったために訴えられました。そしてまず、2017年2月にワシントン州最高裁で敗訴。その後、2018年6月に米連邦最高裁が同性婚ケーキの受注を拒否したケーキ店「マスターピース・ケーキショップ」を支持する判決を下し、Barronelle Stutzman氏の事件の審理も州最高裁へと差し戻されることに。そして2019年6月6日、ワシントン州最高裁は再び彼女の主張(自分のしたことは、『宗教上の信念』と『芸術家の自由』により認められるべきであるとするもの)を退けました。

マスターピース・ケーキショップ事件と違う結果になったのは、前者で問題とされたのはあくまで「コロラド州人権委員会の手続きに問題があった」ということであって、この花屋の事件でそのような問題はなかったから。連邦最高裁は今度は彼女の請求を棄却し、Stutzman氏は同ゲイカップルと和解して引退することに決めたとのこと。

Ingersoll氏とFreed氏は、和解金として受け取った5000ドルを、PFLAG(LGBTQ+の人とその家族、友人、アライのための支援団体)の地元支部への寄付などにあてると話しているそうです。

『マスターピース・ケーキショップ』の判決は日本でもかなり大きく報じられたけど、こういう判決はたぶんあんまり報じられないんじゃないかなあ。実は『マスターピース(略)』の判決だって、別に最高裁が「私企業はLGBTQピープルに物を売ることを拒否してよい」みたいに差別のライセンスを認めたわけでは全然なかった(だからこそ今回この花屋さんは負けたのよ)んだけど、そこも今いち伝わってない気がしますし。このへんが情報の伝達ってものの限界なのかもなー。