『Lの世界』の両性愛者のおばあちゃん役などで知られるベテラン女優ホランド・テイラー(Holland Taylor)が、ラジオのインタビューで、現在女性と交際していると語りました。これまでにつきあった相手も女性がほとんどだったとのこと。
詳細は以下。
Holland Taylor Steps Off Her Island - Death, Sex & Money - WNYC
「ホランド・テイラーって誰?」とお思いの方は、IMDbをごらんになるといいですよ。およそ洋画や海外ドラマがお好きな方で、彼女の出演作をひとつも見たことがない人はほとんどいないのでは。彼女は『トゥルーマン・ショー』のトゥルーマンのお母さんであり、『キューティー・ブロンド』のストロムウェル教授であり、『恋のミニスカウエポン D.E.B.S.』のミセス・ピートリーであり、『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』のロマンス作家の担当編集者であり、『アリー・マイラブ』のキトルソン裁判長なんです。他にも出演作は山ほどありますが、とりあえず割愛。
その彼女が、ニューヨークのラジオ局WNYCのインタビューで「結婚に興味はないのか」と質問されて、さらっとこんなことを言ったんです。
わたしは女性と交際していますから、世代的に、それが自動的に頭に浮かぶということはありません。でも彼女が結婚のことを口にしたことはあります。結婚というのは、精神的な面から見て、そして愛情の面から見て、とても豊かな象徴的ジェスチャーとしての魅力がありますからね。でも、現時点では、これは気まぐれな話です。これは――とてもプライベートなことなんです。結婚するにしても、公開ではしないでしょうね。
Well, my relationship is with a woman, and I have not — given my generation it would not be something that would automatically occur to me. But she's mentioned it because just from a spiritual point of view, from a heart point of view, as a — as a — as a deed that has a very rich symbolic gesture to it, it has its attraction. But it's been a very casual conversation at this point. But it’s not — it would be a very private thing. I would not do that publicly.
交際相手の名前を発表したいと思うかと問われて、彼女はこう答えます。
このことについては、最近ずっと本当に苦労してるんですよ。わたしがこれまでつきあった相手はほとんど女性で、彼女たちのことについて話す気にはなれないんです。わたしはポリティカルな人間ではないので、このことに関する政治問題について話すのが好きじゃないんですよ。この国は、このことに関して本当にばかげていると思います。ばかげてる。だからやりにくいんですよ、もし自分の恋愛関係や、これまでつきあった人たちのことや、少しの間つきあった人やら何やらについて話すのなら、途中で止めたりする必要なしに、ただこんな風に言いたいんです。『それで、カミングアウトはしてるの?』いいえ、カミングアウトはしてません、もともと隠れていないから。(クロゼットの)外で生きてますから。
I’ve been really wrestling with this lately because most of my relationships have been with women and I don’t like talking about them because I don’t like talking about the politics of it all because I’m not political about it. I think we’re ridiculous in this country about it. Ridiculous. And so, it’s awkward because if I talk about relationships in my life or people that have been in my life, or somebody I’ve been seeing for a while or this, that and the other thing, I’d like to be able to just say that, without having to stop and say, ‘so have you come out?’ No, I haven’t come out because I am out. I live out.
この平然とした話しっぷり、いいなあ!
それにしても彼女がこれまで自分のゲイダーにまったくひっかかっていなかったのは驚きで、かつ、なんだか悔しいです。しばらくうちのDVD棚から彼女の出演作を引っ張り出して「ホランド・テイラー復習祭り」を開催しようかしら。上に挙げた作品、『トゥルーマン・ショー』以外全部うちにあるはずですから。
なおインタビューの続きによればホランド・テイラーの交際相手はかなり若く、「多くの人が驚くほど」年齢差があるのだそうです。そこで自ら「わたし自身も驚くぐらい」と述べ、映画『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』でも使われた、高齢女性とのセックスをネタにしたギャグを言い放つあたりもとてもよかった。WNYCではトランスクリプトが公開されている上、音声も全部聴けるので、ご興味がおありの方はぜひ。