石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

NZで同性婚認める法改正を提案した議員が結婚

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2013年にニュージーランド議会に「結婚(結婚の定義)修正法」を提案したルイーザ・ウォール(Louisa Wall)議員が、2015年12月18日、同性パートナーのプルー(Prue)さんと結婚しました。

詳細は以下。

GayNZ.com Louisa Wall marries her partner in small ceremony

「結婚(結婚の定義)修正法」(Marriage (Definition of Marriage Amendment 2013)とは、結婚の定義を「1人の男性と1人の女性の間のこと」から「性別、性的指向、性自認を問わず2人の人間の間のこと」と修正する法案。同国の議会で2013年4月17日に可決され、4月19日に勅許を得て成立しました。

ウォール議員は、プルーさんとの5年間のシビルユニオンを経てこのたび結婚。写真は以下を。

以下、ウォール議員のことば。

「この日はわたしたちのシビルユニオン5周年記念の日でした。これだけの年月と、結婚修正法案を含めてこの5年間に起こったことすべてについて考えると、再び誓約し直すのは格別な気分でした」

“It was the fifth anniversary of our civil union and felt special to restate our commitment after all this time and recognising all that has happened in the last five years including the Marriage Amendment Act.

結婚とシビルユニオンについての同議員の意見はこちらです。

「結婚は世界中にある制度ですが、シビルユニオンは基本的に非ヘテロのカップルが結婚に加われないようにするために作り出されたものです。あの(結婚の定義修正による)法改正は、常に、国の結婚許可証を発行する役割についてのものでした。あるカップルが結婚をどうするかは、そのカップルの意思決定によります」

“Marriage is a universal institution whereas civil unions were essentially created to avoid non- heterosexual couples participating in marriage. The amendment to the law was always about the state's role in issuing a marriage licence. How a couple then carry out the marriage is their decision.”

ウォール議員の考えでは、シビルユニオンは常に性自認や性的指向を問わず誰でも選べる選択肢であるべきで、一部の人だけに唯一の選択肢としてあてがうべきではないとのこと。この考え方、同意だわ。「結婚」や「シビルユニオン」が、性自認や性的指向によって人びとを分断するアパルトヘイトであってはならないし、もっと言うと、「結婚/シビルユニオンなどの制度を利用しているか、いないか」によって人の権利や自由や尊厳に差が付けられるようであってもいけないと自分は思っています。国の役目は公正を実現させることであって、それ以上でもそれ以下でもないはずですから。

ウォール議員は2013年のスピーチでこの改正法をマオリ族とイギリス王権の条約締結になぞらえ、「どちらの例でも、影響を受けるのは軽んじられていた少数派」だとして、「少数派が苦しめられてきた不正を正すため、措置が講じられつつあるところであり、このプロセスが重要なのである」と述べています。英王室との条約だけではマオリの権利問題が解決しなかったのと同様、結婚の定義を修正しただけでいきなり性自認や性的指向による不平等が解決したりはしないはず。しかし結婚の平等はゴールではなくプロセスだから、まずこの法案が提出され、可決されたこと自体に大きな意味があると思います。何はともあれおめでとうございますウォール議員、お幸せに。