石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

リリー(元アンディ)・ウォシャウスキーが女性であることを公表

Fantastic Fest Secret Screening: Cloud Atlas w/ Lana and Andy Wachowski
Fantastic Fest Secret Screening: Cloud Atlas w/ Lana and Andy Wachowski / annainaustin

映画『マトリックス』三部作やNetflixドラマ『センス8』で知られるウォシャウスキーきょうだいのリリー・ウォシャウスキーが、姉のラナ同様トランスジェンダーであることを公表しました。同時にファーストネームも「アンディ」から「リリー」に変更。

イチカワユウさんの以下の日本語記事がわかりやすいです。

もう一人のウォシャウスキーもトランスだった!「ウォシャウスキー姉妹」の誕生!でもアウティングはダメ、絶対。 - #あたシモ

詳しくは上記リンク先を読んでいただくとして、このニュースでもっとも衝撃的なのは、リリーのカミングアウトが本意から来るものではなく、メディアからのアウティングの脅しを受けてのものだということ。同性愛者のセレブでもよくあるパターンですが、こういうメディアって、本当に、人の命をなんだと思っているのか。アウティングされて死んでしまう人もいるというのに。

それからもうひとつ、いくつかの日本語メディアが、リリーが「性転換」していると報じたことも気になっています。"transition"は性別「移行」であって性「転換」ではないし、からだの性はSRCを受けただけでいきなり100パーセント「転換」できるようなものではないはずなのに。それに、Windy City Timesに掲載されたリリーの声明文では、"transgender"や"transition"ということばでさえ、あたかも性別二元論のもとにひとつの末端からもうひとつの末端にいきなりビフォーアフターするかのようで苦手だと書かれてるんですよね。そこで呑気に「性転換」って説明したら、本人の意向を余計に踏みにじっていることになっちゃわない?

ともかく、これで以前はウォシャウスキー「兄弟」とされていたふたりが実は「姉妹」だったことがわかり、いろいろと腑に落ちた感じです。彼女らが手がけた『バウンド』も、『V・フォー・ヴェンデッタ』も、『センス8』(この3作品、大好きだ!!)も、女性の描写がまったくシスヘテロ男性目線じゃないんだもの。これまでも応援してきたけど、今後も変わらず応援するわ。

おまけ。今回のニュースを受けての、『センス8』ノミ役のジェイミー・クレイトン(Jamie Clayton)のツイート。

訳:「すっっごく誇りに思うわ。イエース、リリー!  すごく感謝してるから電話するわ、友よ」。