リリー・ウォシャウスキー(Lilly Wachowski)がNetflixドラマ『Sense8』シーズン2の監督から降りると発表されました。これでシーズン2は、姉のラナが単独で監督することになる模様。
詳細は以下。
Director Lilly Wachowski steps down from Netflix's "Sense8" season 2 - CBS News
『Sense8』はNetflixオリジナルのSFドラマ。マトリックス三部作などで知られるラナとリリー(元アンディ)のウォシャウスキー姉妹が共同で監督したシーズン1は2015年に公開され、好評を博しました。2016年12月公開予定のシーズン2に関しては、つい先日、主要キャラCapheus役のアムル・アミーン(Aml Ameen)がリリー・ウォシャウスキーとの「クリエイティブな相違」のため降板したと報じられたばかり。それが今度はそのリリーも降りることになったわけで、もう何が何やらよくわかりません。
ちなみに、Nomi役のジェイミー・クレイトンは「リリーには休む時間が必要だった」と言っているとのことです。リリー・ウォシャウスキーは2016年3月にトランスジェンダーとしてカミングアウトした(厳密には、アウティングされる前に公表した)ばかりですが、そのことが関係しているのかどうかは謎。
『Sense8』シーズン2に関して個人的に心配していたのは「ポリアモリー&パンセクシュアルこそ至高! ゲイやレズビアンやモノアモリーみたいな古臭いのはダメ!」みたいになっちゃったら嫌だなということだったんですが、なんだか全然予想してなかった方向から次々に不安材料が来ましたねー……。どうなっちゃうのかしら一体。
余談ですが、日本での『Sense8』の感想をざっと見ていると「第1話は退屈」と言っている人が多くて、そのたびに驚愕しています。nomanita(ノミとアマニタのレズビアンカップル)のシッパー(崇拝者)から見たら、1話こそ最高なのに! ノミを罵るクソなレズビアンにアマニタが憤然と立ち向かって、その後ノミが泣きながら「これまで私を守ってくれる人はいなかった。でもあなたは違う」(大意)と言うところ、あそこがベストなのに!……と思ったけど、あの部分の日本語訳はイマイチだったし、わからない人には「LGBT」というカテゴリーに対する賛否それぞれの意見や、「トランスジェンダー女性でレズビアン」というノミの立ち位置からしてもう想像の埒外なのかもしれませんね。まさかジャパンでの評判がこうだからって今後このドラマがアホでもわかるシスヘテ中心ストーリーに変わることは絶対にないとは思いますが、ともかく、史上初の「ひとりのウォシャウスキーによる監督作品」となるシーズン2を、ラナがなんとかシーズン1に劣らぬクオリティに仕上げてくれるよう祈っています。
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