14. Stop Homophobia. / mind on fire
ニューヨークのヘルズキッチンで2016年7月17日、ゲイバーを出た男性が、ホモフォビックな罵倒語を叫ぶ男たちから殴る蹴るの暴力を受けて脚を2か所骨折しました。
詳細は以下。
Gay Man Bashed Outside NYC Bar, Has Leg Broken By Gang Yelling Homophobic Slurs | NewNowNext
被害者の説明によると、彼が当日午前3時半ごろゲイバー「ヴォドカ・ソーダ」(Vodka Soda)を出ると、5人の男たちがスペイン語でゲイをののしる言葉を叫びながらついてきて、ナインス・アベニューまで来たところで直接的な暴力をふるわれたとのこと。
元記事によると、ヘルズ・キッチンはNYのゲイバーフッド("gayborhood"、ゲイやゲイ向けの店などが多い地域のこと)の一つとして知られているものの、2016年6月には「神はホモセクシュアルを殺せと命じた」などとする手書きのチラシが複数の車の窓に貼られるという事件があったばかりなのだそうです。まさにこの「ヴォドカ・ソーダ」の近くでも、そのチラシが貼られていたとのこと。DNAinfo New Yorkが文面を紹介していますが、ひどいよまったく。ちょっと訳してみます。
「アメリカはキリスト教の国である。悪魔はニューヨーク・シティーの王にはならない」と、その紙には書かれている。
「ホ×野郎ども、ホモセクシュアルたち、性的倒錯者、性的不能者―くず、ごみ、社会経済上の落ちこぼれども―バーテンダー―コック―くず―おまえらはしたい(原文ママ)となるのだ」と文章は続く。
“America is a Christian nation. Satan will not be a king in N.Y.C. might be the end of Homosexuality in N.Y.C.," the note read.
“Those f-----s, homosexuals, sexual pervert, sexual impotents —trash, garbage, socio-economic drop out — bartenders — cooks — trash — you will be corpes [sic],” it added.
「社会経済上の落ちこぼれ」などキリスト教とは関係のなさそうな人までヘイトの対象となっていることから見て、このチラシは純粋な宗教的憤慨というより、「自分の気に入らない者、加害してもいいと思っている者」に憎悪をぶつけて鬱屈を晴らすために書かれたものであるかのようにも見えます。ひょっとして、この人たちが日本に生まれていたら、「お客様は神様だから」と言って店員を殴ったり、「歩きスマホは良くないから」と言ってポケモンGOプレイヤーにわざとぶつかっていやがらせしたりしてたんじゃないですかね。宗教なんて口実だよ口実。
このチラシと今回の暴行事件の間に関連があるにせよないにせよ、「いかなる口実があろうと暴力は正当化されない」という社会的コンセンサスを作らない限り、この手の事件はなくならないのでは。ゲイが嫌いなら遠くで嫌っていればいいのに、こういう人たちってわざわざゲイバーフッドに入り込んで加害してくるんだもん、やってられないよこっちは。