石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アンチゲイ団体代表、自分たちをナチスに迫害されるユダヤ人になぞらえて悲憤慷慨

Triangle rose : La persécution nazie des homosexuels et sa mémoire

米国のアンチゲイな極右法律団体「リバティ・カウンセル(Liberty Counsel)」の会長が、同団体を憎悪団体と呼ぶのはナチスドイツによるユダヤ人迫害と同じだと発言しました。この団体って、反同性愛法や同性愛治療を支持することで積極的にゲイを迫害してるんですけどね。

詳細は以下。

Mat Staver: Anti-Gay Hate Groups are Persecuted Like Jews in Nazi Germany - LISTEN - Towleroad

リバティ・カウンセルは、ウガンダの反同性愛法(別名『ゲイを殺せ』法)成立に尽力して「人道に反する罪」で訴えられた米国人のスコット・ライブリー(Scott Lively)牧師を熱心に弁護してきた福音派キリスト教団体です。そして会長のマット・ステイヴァー(Mat Staver)氏は、LBGTQの若者は「小児性愛者による虐待」が原因で混乱しているのだという自説のもと、同性愛の「治療」を認めよと主張している人。ステイヴァー氏はまた、ケンタッキー州で同性カップルの結婚を邪魔し続けて訴えられたキム・デイヴィス(Kim Davis)書記官の弁護士でもあります。このステイヴァー氏が、キリスト教ラジオ局VCY Americaのインタビューで、同団体が南部貧困法律センター(Southern Poverty Law Center)からヘイトグループとして分類されたことについて以下のように語ったのだそうです。

「これは行き過ぎであり、これ以上許してはなりません。(引用者中略)1930年代までさかのぼれば、ユダヤ人が最終的にどうなったかというと……(引用者中略)公職から追放され、私企業でも働けなくなり、身分証明書にダビデの星をつけられ、パスポートにダビデの星をつけられ、収入を得る機会を制限されました。しまいにどうなったかはご存知でしょう、わたしたちはこのことについて第二次世界大戦を戦わなければならなかったのです」

“I think we’ve crossed the line and we can’t let this go any further[...]if you go back into the 1930s, what ultimately happened back then with the Jews—[...]they began to ultimately ban Jews from public employment, then ban Jews from their private employment, then put a Star of David on their ID and a Star of David on their passport, restrict their travel, restrict their income opportunity, and eventually you know what happened, we had to fight a World War II over that issue.”

本当に歴史を振り返るならば、ナチスに公民権を奪われ、印をつけられて強制収容所にぶちこまれたのはキリスト教右派ではなくて同性愛者のはずなんですけどね。ゲイの人権を奪おうとしている自分たちが、同じようにゲイの人権を奪っていたナチスドイツと同列だとは考えず、迫害されるユダヤ人のポジションにおさまろうとするとは厚顔そのもの。差別行為をしたため店をボイコットされたことを自分たちへの「いじめ」だと言っているカリフォルニア州のパン屋と共通するものがあると思います。「寝言は寝て言え」以外、かける言葉が見当たりませんな。