米国インディアナ州インディアナポリスのクロスフィット・ジム「CrossFit Infiltrate」のオーナーが、LGBT会員のひとりが計画していた「プライド・ワークアウト」というイベントを中止にしてしまいました。理由は、「神の意志に反するから」。
詳細は以下。
クロスフィットとは高強度のウエイトトレーニングや自重トレーニング、有酸素運動などを組み合わせた、最近流行りのフィットネスプログラムです。クロスフィットのジムではグループ単位でワークアウトをおこなうことが多く、おそらく「プライド・ワークアウト」もそのひとつとして企画されていたものと思われます。
ジム会員のライアン・ニックス(Ryan Nix)氏が同ワークアウトの中止についてオーナーに問い合わせたところ、このジムの見解では、神はプライドは包括的な健康を損なう要因であると定めているという返事が返ってきたとのこと。同ジムのディレクターとオーナーは健康に価値を置いているが、「プライド~」はそうでないため中止するという理屈なのだそうです。
しかし聖書でいさめているところの"pride"って、傲慢でしょ? ゲイ・プライドやLGBTプライドの"pride"、すなわち誇りや矜持はそれとは違うもののはずですが。ちなみに"pride"で画像検索すれば一目瞭然ですが、現在の英語圏では"pride"というのはまず第一にゲイプライドやLGBTプライドを連想させる単語となっています。おそらくこのジムは、それが気に入らなかったんでしょうね。
Towleroadのコメント欄の、こちらの意見にうなずかされました。
というわけで、始まったよ……「ゲイお断り」の始まりだよ……
And so it begins . . . the "No Gays Allowed" starts . . .
昨日のエントリ「米連邦最高裁が『マスターピース・ケーキショップ』支持 - 石壁に百合の花咲く」の最後の方でちょっと書いたけど、保守派はすっかりこの裁判の結果を「信教の自由(を盾にゲイを排除する自由)の勝利」だと勘違いしているみたいですからね。今後こういう案件、増えるかもね。
ちなみに上記のニックさんによると、この一件以来同ジムのコーチや総支配人はみな退職してしまい、会員もたくさん退会しているとのこと。ロイターによると、統計では米国人の72%が「事業主が、自分の信仰を理由として、性的指向にもとづく客へのサービス提供拒否をおこなうことは容認されるべきではない」と答えている(ちなみに容認されるべきとした人は14%、場合によってはOKとした人が9%、わからないと答えた人は6%)そうですから、その72%に該当する人たちが順当にこのジムを去っていったということなのかも。どんどん辞めたれ。