石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランス男子の父、学校のデッドネーミングをやめさせる 米インディアナ州

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米国インディアナ州のハイスクールが、卒業式でトランスジェンダーの男子生徒のことを女性名で呼ぶと主張。この生徒の父親が息子を助けるため署名運動を始め、その3日後、学校は男性名の使用に同意しました。

詳細は以下。

www.pinknews.co.uk

このトランスジェンダーの学生は3年前に性別移行し、以来ずっと周囲から「ワイアット(Wyatt)」という男性名で呼ばれている人。にもかかわらず、彼の通うホームステッド高校(Homestead High School)は、卒業式では彼を性別移行前の女性名で呼ぶと主張したのだそうです。

以下、彼の父親、ブライアン・トーマス(Brian Thomas)さんによる説明。

「先生も、牧師も、監督も、家族も兄弟も彼のことをワイアットという名前の男の子として知っています」

「なのに卒業式では、学校当局が変えたがらない慣習的な基準のせいで、彼はデッドネーム(訳注:性別移行前の、当人のアイデンティティとは違うジェンダーの名前のこと)で呼ばれてしまうんです」

「お祝いのはずだったものが、新たな屈辱と困惑の瞬間になってしまいます」

“Teachers, pastors, managers, family and friends know him as a boy named Wyatt.

“But at graduation, because of an unwritten standard the school administration is unwilling to change, he will be called by his dead name.

What is meant to be a celebration will instead be yet another moment of humiliation and embarrassment.

それで2019年5月7日、トーマスさんは卒業式で息子の名前をワイアットと呼んでもらえるよう求める署名を開始。14000人以上の賛同者を集めました。果たして5月10日、学校は式で彼をワイアットと呼ぶことに同意し、卒業証書もその名前で出せるよう努力するということになったのだそうです。

トーマスさんはこれについて、学校側の「しっかりとした目的のある討議と慎重な検討」によってワイアットさんにとって有益な決定がされたと述べ、以下のように書いています。

学校がこの要求を真剣にうけとめ、払うべき注意を払ってくれたことに感謝しています。

We are grateful the school took this request seriously and gave it the attention it deserves.

こういうことがあるから、あたしゃ「マイノリティは差別反対と騒ぐべきではない、そんなことをするから余計に差別されるのだー」みたいな意見は信じないんですよ。第一、婦人参政権はサフラジェットが馬の下に飛び込むまで実現しなかったし、投票権法だってセルマ事件があってようやく成立したわけでしょう。黙ってちゃいかんよ、やっぱり。