石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ゲイカップル、ヘテロ夫婦が見捨てたHIV陽性ベビーの養親に アルゼンチン

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アルゼンチンで10組以上の男女カップルに養子縁組を拒否されたHIV陽性の赤ちゃんがゲイカップルに引き取られ、元気に5歳の誕生日を迎えたそうです。なお感染症専門医によると、生後1年半の時点でこの子の体からはHIVウイルスは検出されなくなっているとのこと。

詳細は以下。

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アルゼンチンは2010年にラテンアメリカで初めて同性婚を法制化した国です。このカップル、アリエルとダミアン(Ariel y Damián)さんは2012年に結婚し、養子縁組希望者統一登録局(Registro Unico de Aspirantes a Guarda con Fines Adoptivos)に養子縁組希望者登録をしていました。しかしなかなか養子候補が現れず、ふたりは希望年齢を広げたり、きょうだい揃っての引き取りも可としたりしていたとのこと。そこに2014年、裁判官から連絡があり、垂直感染でHIV陽性となったために捨てられた生後28日の赤ちゃんとの養子縁組を打診されたのだそうです。

ダミアンは言う。「ひと目見たとたんに、この子はわたしのすべてになりました。とても小さくて、体重はせいぜい1.2kgぐらいでした。抱っこして哺乳器を――哺乳瓶のことですよ――あてがうと、泣きもせずに目を大きく見開いてわたしたちを見たんです」

Cuenta Damián que: “apenas la vi, sentí que era mi vida. La conexión fue inmediata. Era muy chiquita, apenas pesaba 1.2 kg. La tuvimos en brazos, le dimos la mamadera –biberón– y nos miraba con los ojos bien abiertos y sin llorar”

こうしてこの赤ちゃん、オリビア(Olivia)ちゃんは彼らの娘になりました。ちなみにそれまで、少なくとも10組の異性愛者カップルがオリビアちゃんとの養子縁組のためにセンターにやってきては、オリビアちゃんの健康状態を知ると即座に縁組を断っていたのだそうです。こうなると、一部の異性愛者が自分たち特有のものだとしてさんざん自慢している「生産性」っていったい何なんだろうと思いますね。「男性器と女性器を結合させて腰を振る行為に興奮できるかどうか」と、「子供に適切なケアと愛情を与えて養育できるかどうか」はまったく別の資質のはずなのに、そこがごっちゃにされすぎている気がします。

さて、ダミアンさんらがオリビアちゃんを引き取った4か月後、オリビアちゃんには新たにお姉さんができました。オリビアちゃんの話を知った人からうちの子も養女にという申し出があり、ふたりはその子も引き取ったんです。

その後1歳半の時点でオリビアちゃんの身体からはHIVウイルスが検出されなくなり、2019年10月16日、オリビアちゃんは無事5歳の誕生日を迎えました。お姉さんのビクトリア(Victoria)ちゃんは、今年2月で7歳に。

お誕生日パーティーの様子はこちら。

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Cumple de Olivia

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このご家族に幸あれ。