バイセクシュアルのスーパーマンのストーリーラインを担当しているクリエイターが、彼に殺害予告などを送り付けてくる人々に対し、画期的な方法で対応していることを明かしました。
詳細は以下。
この「バイセクシュアルのスーパーマン」というのは、DCコミックスの公式作品Superman: Son of Kal-Elの主人公ジョン・ケント。第5話で両性愛者であることを明かし、世界中で大きな話題となりました。作品のビジュアルはこんな感じ。
In the November 9 issue of DC Comics’ current Superman — Jon Kent, son of Clark Kent — comes out as bisexual. pic.twitter.com/tIPbNteYNu
— Eric Alper 🎧 (@ThatEricAlper) October 11, 2021
同作品のスタジオや制作スタッフのもとには、この設定が気に入らない人々からの脅迫のメッセージが大量に送り付けられており、ロスアンゼルス市警がアーティストの自宅などの監視を強化するほどの騒ぎになっています。ストーリーライン担当のトム・テイラー(Tom Taylor)さんのところにも、やはり殺害予告やヘイトに満ちたコメントが押し寄せてきているとのこと。で、彼はどうしたか。こうしました。
Miroslav from Facebook, like so many before you, I made a donation to @minus18youth in your name. 🏳️🌈 pic.twitter.com/1QNJMEE86i
— Tom Taylor (@TomTaylorMade) January 10, 2022
上記のツイートで、テイラーさんは「Miroslav」なる人物からFacebookで寄せられた「スーパーマンがゲイだと!? クソ野郎、てめえは苦しんでくたばることになるぞ!!」というコメントを紹介し、こんな風に書いています。
FacebookのMiroslavへ、君の前のたくさんの人たち同様、君の名前で@minus18youthに寄付しといたよ。
Miroslav from Facebook, like so many before you, I made a donation to @minus18youth in your name.
テイラーさんはオーストラリア人で、文中の@minus18youthというのは同国のLGBTQIA+ユースの支援団体、「Minus18」のこと。つまり、誰かがテイラーさんのところに脅迫や嫌がらせのコメントを送れば送るほど、コメント主の名前でその団体に寄付するから、結果としてLGBTQIA+ユースが支援されることになるよと彼は言っているわけ。
多人数から剥き出しの悪意をぶつけられることのダメージってものすごいのに、そこでこうやって迎え撃って作品とLGBTQIA+ユースを守ってくれるとは……。ありがてえありがてえ。
なお、なぜそんなに脅されてまでマイノリティーの表象を守る必要があるのかについては、以下の動画が参考になるかと。小さな子が、ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家(原題 Encanto)』の主人公が自分とそっくりな褐色の肌の女の子であることに気づいて"Sou eu, mamãe. Eu cresci"(わたしだよ、ママ。わたしが大きくなったの) と喜ぶこの笑顔が、つまり"representation matters"ってことの証左なんだよ!
Doutor, o motivo do meu colapso foram as seguintes frases:
— Laís Gomes (@eulaisgomes) January 13, 2022
“Sou eu, mamãe”
“Eu, cresci”pic.twitter.com/FG6pdV4Wc6