石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

新規HIV診断者、もはやヘテロがゲイ・バイセクシュアル男性より多い 英調査

HIV/AIDS Mobile Drug Guide

英国保健安全保障庁(UK Health Security Agency)が、2020年に同国で新規にHIV陽性と診断された人の49%が異性愛者で、ゲイ・バイセクシュアル男性(45%)より多かったというデータを発表しました。異性愛者の新規HIV診断者が同性愛者・両性愛者のそれを上回ったのは、過去10年間で初とのこと。

詳細は以下。

www.gbnews.uk

HIVはもはや、早期診断&早期治療でウイルスを抑制することができる病気になっているのですが、上記リンク先によれば、異性愛者では免疫系にダメージが出るまで診断を受けずにいた人の率がゲイ・バイセクシュアル男性より高かったとのこと。異性愛者らの「自分たちはHIVのリスクにさらされていない」という思い込みがこのような差をもたらしている可能性があると、同記事では指摘されています。ちなみにゲイ・バイセクシュアル男性の方はというと、PrEPの普及、定期的な検査、迅速な治療開始などのおかげでウイルスの伝播そのものが減少したため、2014年から2020年の間に新規HIV診断者が70%も減ってるんだそうです。

ヘテロたちがHIV/AIDSを「ゲイの病気」扱いして恐怖感をまぎらわせていたつけが、今ここに来たかって感じですね。

そういえば新型コロナの流行り始めの頃、他県ナンバー車が嫌がらせをされたり、外国人に対する差別的な張り紙がされたりしたというニュースを見て、「人類、80年代のAIDS禍の頃から何も進歩しとらん」と衝撃を受けてたんですよ、あたし。その昔、長野県松本市で外国人ホステスがHIV陽性と診断されたというニュースが流れたとたん、「松本ナンバーの車は来るな」と大騒ぎした人がいっぱいいたことや、AIDSを「ゲイと外国人の病気」と決めつけた上での差別が横行したこととそっくりでしたから。でも、この新規HIV診断率のニュースといい、こないだの新型コロナワクチン接種率の話といい、ヘテロはともかく少なくともゲイ・バイセクシュアルコミュニティの防疫や医療に対する考え方はいくぶんか進歩してきてるのかも。それだけは救いかも。