石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

LGBTQ+書籍排斥運動家を逮捕 児童性虐待の疑い 米ミズーリ州

ファン・ホーム ~ある家族の悲喜劇〈新装版〉~ (ShoPro Books)

LGBTQ+テーマの本を「ポルノ」と呼び、学校から排除するよう求める活動をしていた米ミズーリ州の29歳男性が、児童への性的虐待などの容疑で逮捕・起訴されました。彼には12歳児の体を触ったり、4歳児に性行為の動画を見せたりしたという嫌疑がかけられているとのこと。

詳細は以下。

www.kmbc.com

この男性、 Ryan Utterbackにかけられている嫌疑は以下の3つ(このへん、 Raw Storyが詳しいです)。

  1. 12歳少女の体を触ったり、その子の体をつかんで自分の体にこすりつけたりした
  2. ガールフレンドの娘(当時4歳)に、自分とガールフレンド(つまり、その4歳児の母親)が裸で性交しているところの動画を見せていた
  3. 第4級家庭内暴力

Utterbackは2022年2月6日、上記のうち12歳の子どもへの性的虐待疑いの審理で法廷に出頭したとのこと。次の審理予定は3月だそうです。

で、何がひどいってこの男、LGBTQ+テーマの本を「性的にどぎつくて子供に不適切」として学校の図書室から排斥する運動に加わっていたってこと。この運動でターゲットにされているのはアリソン・ベクダル(べクデル)の『ファン・ホーム』とジョージ・M・ジョンソンのAll Boys Aren't Blue: A Memoir-Manifestoで、Utterbackはこれらの排除に賛成するため『ファン・ホーム』のベッドシーンの拡大コピーを持って学校区(日本で言うところの教育委員会的なもの)のミーティングに行ってたんだそうです。あまつさえ、テレビ局の取材に対して「うちの子にとって何が適切で何が不適切かはわかっている」などと発言したりもしています

一応言っときますが、『ファン・ホーム』は父の死をめぐる家族の物語で、ミュージカル化されて日本でも公演された自伝的コミックです。ベッドシーンはレズビアンの主人公、アリソンのセクシュアリティの目覚めのあたりで数コマ程度淡々と描かれるだけで、あれが「どぎつい」んだったらヘテロのラブストーリーのキスシーンも全部ダメだろうというレベル。All Boys Aren't Blue: A Memoir-Manifestoの方は自分は未読なんですが、TheHillによればこれは著者の少年時代・青年時代を振り返るエッセイ集で、20歳のときに合意の上でおこなった初体験の思い出が短く書かれているとのこと。Utterbackがこれらの本を「不適切」と呼ぶ傍ら、自分が子供に触ったり性行為の動画を見せつけたりするのは「不適切じゃない」と考えていたんだとしたら、判断基準がはなはだおかしいと言わざるを得ませんな。それとも、ひょっとして共和党の政治家よろしく、LGBTQ+叩きに精を出す姿を周囲に見せておけば、自分の後ろ暗い行為から目をそらさせることができるとでも思ったのか?

あー、やだやだ。ジョージ・M・ジョンソンの以下のツイートがすべてですね、もう。