石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

亡くなったゲイ少年への暴言で辞職した警官、わずか2か月で復職 米アラバマ州

f:id:miyakichi:20190714203545j:plain

ホモフォビックないじめで自死の15歳に警官が差別的コメント - 石壁に百合の花咲く」の続報。ゲイ少年の自死に関してSNSで差別的なコメントを書き込んでいたこの警官が、監査中に自主退職し、わずか2か月後にフルタイムの警官として再雇用されたそうです。

詳細は以下。

www.waff.com

アラバマ州のこのゲイ少年、ナイジェル・シェルビー(Nigel Shelby)さんは、同性愛嫌悪的ないじめを苦に2019年4月19日に命を絶ちました。地元TV局がFacebookでこの事件に触れ、LGBTQいじめの問題について注意喚起したところ、ジェフ・グレイヴズ(Jeff Graves)という保安官代理(当時)が、「そんな(性的少数者としてのLGBTQの)運動なんてものがあることに、真剣に腹が立つ。そんなものを社会が受け入れることはできないし、受け入れるべきではない」というコメントを投下。これが問題視され、グレイヴズ氏は郡保安官事務所による監査を受けることになっていました。

ところがWAFFによると、グレイヴズ氏は監査の最中、自ら辞職したのだそうです。そして、そのわずか2か月後に、同じアラバマ州のオーウェンズ・クロス・ローズ署に警官として再雇用されたとのこと。いやちょっと待て、監査の意味は? 辞職しちゃえばすべてチャラなの?

……前回この事件について書いたエントリの末尾で、「(グレイヴズ氏が)いけしゃあしゃあと元の職務に戻ってくるようでなければいいけど」と書いたんですが、まさか本当にこうもあっさり警官の仕事を続けられてしまうとは。ちなみにオーウェンズ・クロス・ローズ警察署のジェイソン・ドビンズ( Jason Dobbins)署長は、グレイヴズ氏は「事態(the situation)について深い後悔を見せている」と言っているそうなのですが、具体的に何が問題だと思って何を後悔したのかがぼやかされているところが信用ならんと思います。「自分の主張は正しかったが、実名でやったのはまずかった」という「後悔」だって、あり得るわけですからね。

なお同州では今年6月、カーボン・ヒルという小さな町の町長が、「ホモセクシュアル」や「トランスヴェスタイト」は「赤ちゃん殺し」や「社会主義者」ともども絶滅させるべきだという説をFacebookで披露して謝罪するはめになったばかり。こういうことを言ってもいいのだという認識が、オーソリティの間に蔓延してるんじゃないの?