LGBTQ団体GLAADが2019年6月24日に発表したレポート"Accelerating Acceptance 2019"で、米国の18歳から34歳までの世代で、LGBTQの人々を不快に感じる人の割合が2年連続で増え続けていることが報告されています。
詳細は以下。
このレポートはハリス世論調査がGLAADの代理で実行しているもので、毎年結果が発表されています。それによると、18歳から34歳の米国人で、LGBTQの人々との相互交流を不快だと思わない人の割合は、2016年から2018年で以下のように減ってきているのだそうです。
2016 | 63% |
---|---|
2017 | 53% |
2018 | 45% |
もう少し詳しく見ていくと、こんな感じ。
- 「家族の誰かがLGBTQだとわかったら不快」と答えた人:27%(2016年)→36%(2018年)
- 「子どもにLGBTQの教師の授業を受けさせるのは不快」と答えた人:25%(2016年)→33%(2018年)
- 「医師がLGBTQだとわかったら不快」と答えた人:24%→34%(2018年)
- 「子どもに学校でLGBTQの歴史の授業を受けさせるのは不快」と答えた人:27%(2016年)→39%(2018年)
他の世代については、USA TODAYによるこちらのグラフを見てくださいね。
しっかし、これまでいろんな調査で、若い世代ほどLGBTQに対して受容的と言われてきていたはずですが、こうしてみるとあれは別に不変の真理ではなかったんですね……。
なお、ハリス世論調査のジョン・ジョージマ(John Gerzema)最高経営責任者は、今回の結果を「非常に憂慮すべきもの」であるとし、動画やTwitterなどソーシャルなプラットフォームにおけるヘイトスピーチが若者に影響を与えていると指摘しているとのことです。
そういえば2016年というのはトランプが第45代米大統領に当選した年。トランプの勝利直後からTwitterでホモフォビックな語が激増し、ネットの外でもヘイト事件が急増したという報告がありました。詳しくは以下を。
ひょっとしたらトランプ当選で差別にお墨付きがもらえたと考えた層がおおっぴらに憎悪を表明し始めたおかげで、それを見聞きし続けた人々の間にも順調に憎悪が醸成されているということなのかも。で、ソーシャルメディアとの親和性の高い若者世代により強く影響が出てるってことなのかも。とりあえず、事なかれ主義の人がよく唱える「黙って耐えていれば世代交代により『自然に』差別はなくなる」説は大嘘だとわかったから、今後はこれまで以上に声を上げていくしかないですね。