石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『魔法のじゅもん(1〜2)』(あらきかなお、芳文社)感想

魔法のじゅもん 1 (まんがタイムKRコミックス)

魔法のじゅもん 1 (まんがタイムKRコミックス)

魔法のじゅもん 2 (まんがタイムKRコミックス)

魔法のじゅもん 2 (まんがタイムKRコミックス)

毒気がやみつきになる百合三角関係

魔法少女ふたりとマジシャン志望の少女とが毒気のある三角関係を繰り広げる萌え4コマ。なんと言ってもユリネのサドっぷりと、そんなユリネに夢中なちづ子のマゾっぷりが面白いです。あと、ただじゃれ合っているだけではなくて、根底にきちんと愛があるところもよかった。敢えて難点を挙げるとすれば、「魔法少女ものなのに魔法ネタが少ない」ということですが、このへんは好き好きかと。

可愛らしさとお色気、そして毒気について

なんといってもユリネというキャラクタがこの作品の最大のポイントですね。マジックの練習にかこつけてちづ子を縛るわ、露出度の高い格好をさせるわ、と序盤から飛ばしっぱなしのユリネですが、ロリ体型なのぶ子に対しても「毛が生えてるか見てやろう」としたり(1巻p. 32)(「ヘンタイがほっておけない身体」(1巻p. 77)と評したりとやりたい放題。つまりこの作品においては、少女たちの可愛さとエロさはユリネによって発見され、ユリネによって輝くという構造になっています。ちなみに全年齢ものでありながらけっこうギリギリのエロ(尿ネタとか)があったりするんですよこれがまた。

毒気についても、やはりユリネのサドっ気が大きな役割を果たしていると思います。さらに、そこにユリネの鬼畜ぶりを喜んでしまうちづ子のMっぷりと、ちづ子に横恋慕するのぶ子のツッコミとがうまく働いて、「ドス黒いのにからりとしている」系のバランスのとれたギャグに仕上がっている感じ。キュートでHでブラックで、たまらない面白さでした。

愛について

三角関係とはいっても、このお話のメインカップルは基本的にちづ子とユリネです。で、そのふたりの間には、ちゃんと愛があるんですよ。はっきりと「ユリネちゃんのことすごく好きっ」と告白している(1巻p. 83)ちづ子はもちろん、ユリネはユリネで不審者からちづ子を守ろうと胸に抱いて

ちーちゃんは私が守るんだからっ

と叫んだり(1巻p. 17)してますしね(でも全裸男性の股間を見ながら『そんなソーメンみたいなの』と口走るのはどうかと思うぞユリネ)。そんなこんなで、単に表層だけじゃれ合って終わりではなく、根底に好き感情がきちんと存在するところもよかったです。

魔法ネタについて

これはほんとに少ないです。なので、何かベタな魔女っ娘ネタをお求めの方にはあまり向かないかも。

まとめ

可愛らしいだけでなく、毒気とエロがほどよく効いた、ユニークな百合4コマでした。魔法ネタこそ少なめですが、全体的にとても面白かったです。フワフワした甘口なだけの百合ものに飽きた方、ぜひご一読を!