石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

『ゆきの咲くにわ(2)』(たつねこ、一迅社)感想

ゆきの咲くにわ (2) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

ゆきの咲くにわ (2) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

バトル多めの急展開

雪女の「ゆき」と人間「社千尋」の関係を描く百合4コマ。1巻は「基本まったり、時々ゾクリとさせられる微エロ4コマ」といった風情でしたが、うってかわってこの2巻はバトルシーン多め。茴ちゃん・小野ちゃんの正体を明かしつつなだれ込む、緊迫感ある展開が面白かったです。ただし、一部の会話で中二病っぽいカタカナ語が多用されているところはやや興ざめ。百合部分では言うと、メインカップルが順調に距離を縮めており、ぐっとくる場面も多かったです。

バトルそのものは面白いんですが……

今回はゆき以外の人外キャラも登場し、容赦ないガチバトルが展開されます。1巻で軽く伏線が張られていることもあり、この展開自体に違和感はまったくなし。アクションシーンの迫力はよかったし、次巻への伏線を絡めた不穏な空気の高まりも面白かったです。

でも、用語が。用語が中二病すぎる。「黄金律の血(ブラッド・オブ・ゴールデン・レシオ)」とか、「敵対可能性個体の防衛戦突破(アリス・イン・ワンダーランド)」とか、それわざわざカタカナで言う必要あるんですか的な表記が多すぎ。2巻では西洋の妖が登場していることもあり、ひょっとしたら「雪女」という和風な設定だけにひきずられない雰囲気づくりを目指したのかも、とは思います。でも、そこで「日本のオタク中学生が嬉しがって使いそうなカタカナ語」を連発するというのは、かえって物語の幅を狭めてしまうのでは?

百合部分について

1巻に比べ、セクハラネタは減少中。しかしその一方で、たとえば停電のシークエンスの、

…暗闇で 光るわたしの目は怖ろしいでしょう…?

というゆきの台詞(p. 66)に始まる一連のやりとりなど、ぐっとくるものがありました。わかりやすいエロネタが減ったとて、やはりこの漫画は堂々の百合作品であると感じました。細かなエピソードの積み重ねがうまく、ラブストーリーとして順調な盛り上がりを見せていると思います。

茴と小野について

1巻ですでにクワセモノぶりを遺憾なく発揮していた2人ですが、意外にもこの2巻でもう正体が明かされています。2人とも、単なる「メインカップルへのツッコミ役」を越えまくった存在感と魅力があり、よかったです。小野ちゃんの外見が実は伏線になっていたあたりもグッジョブ。

まとめ

人外同士のマジバトルはスリリングでよかったし、百合ものとしても十分楽しめる内容でした。ただ、中二病的タームの数々が災いして、人によってはお話に没入しにくい部分があるかもしれません。そこだけ注意。