石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

英俳優ダニー・ダイア、ゲイだとされていじめられた子供時代を語る(※本人はヘテロ)

The World According to Danny Dyer: Life Lessons from the East End

BBCドラマ『イーストエンダーズ』の人気俳優ダニー・ダイア(Danny Dyer)が、このほど出版された自伝の中で、異性愛者であるにもかかわらず子供の頃学校でゲイとしていじめられた経験について語っています。

詳細は以下。

Danny Dyer was bullied at school because people thought he was gay - Gay Star News

IMDbによれば、ダニー・ダイアは1977年にロンドンのカンニング・タウンで生を受けています。子供時代のダニーは、演劇をやりたがっているという理由でゲイだと言われ、学校でひどくいじめられたとのこと。

「実際、ゲイではないにもかかわらず、ホモフォビアには苦しめられた」と彼は書き添えた。「友人たちにとって、そして友だちというほど仲がよくない一部の子たちにとって、役者であることは同性愛者であることとまったく同じなのだった」

「そのふたつの間に違いがないんだ。ぼくが受けたいじめの中には、ぞっとするようなものもあった。『女優』だの、『女々しいホモ野郎』だの、ありとあらゆる罵声を浴びせられた」。

‘I actually suffered from homophobia , despite not being gay,’ he added. ‘To my mates, and some who weren’t quite as matey, being an actor is exactly the same as being homosexual. ‘There is no difference between the two. The bullying I got was sometimes horrible. I got “actress” and “poofter” and all the rest of it.

ダニーはしまいに身を守るため芝居のことは誰にも話さないようになり、一種の二重生活を送っていたそうです。

これって、こないだから何度かお話ししている(例1例2)「LGBT差別が横行する環境では、たとえ自分がLGBTではなくても、LGBTだと思われただけで暴力のターゲットにされる」という現象の好例なのでは。不幸中の幸いだったのは、こんなひどい目に遭ったダニーが同性愛嫌悪を刷り込まれず、長じてむしろ「ホモフォビックなバカども」("homophobic pricks")に立ち向かう人になったこと。『イーストエンダーズ』で彼が演じるキャラの息子がゲイだという設定が明かされたとき、文句を言う人々に対して、彼はTwitterでこうやり返したんです。

早い話が「お前の(ホモフォビックな)意見なんかケツの穴にでも突っ込んどけ」というメッセージなわけ。やるなあ。

自らのヘテロ性を強調しようと躍起になって「僕を見て! 僕を見て! 僕の中のホモフォビアがこんなに大きくなったよ!!」とばかりに同性愛者への憎悪アピールに精を出す人も少なくない中、こんな人もいるのだと思うと心洗われる思いです。ダニーはこの著書The World According to Danny Dyer: Life Lessons from the East Endの冒頭で、「これを読んでる子供がいるとしたら、言っておきたいことがある。ぼくはロールモデルじゃない、マジでそうじゃない。悪態もつくし酒も飲むし、やっちゃいけないこともする」なんてことを書いてますが、十分ステキな人だとあたしは思うわ。