石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米オハイオ州にリーラ・アルコーンさん追悼の道路標識

Interstate 71 - Ohio
Interstate 71 - Ohio / Dougtone

米国オハイオ州の高速道路脇に、2014年に自死した17歳のトランスジェンダー女性、リーラ・アルコーン(Leelah Alcorn)さんを追悼する道路標識が設置されました。

詳細は以下。

ODOT dedicates stretch of I-71 to memory of Leelah Alcorn - Story

標識の写真はこちら。下半分に、"IN MEMORY OF LEELAH ALCORN"(『リーラ・アルコーンを偲んで』)と書かれています。

リーラさんは出生時に男性とされ、性自認は女性だったトランスジェンダーです。無理解な両親から宗教系の偏見あふれる「セラピー」を受けさせられ、性別移行も拒否され、トランスに理解ある友人たちと連絡が取れないようにと学校もやめさせられ、PCや携帯も取り上げられてしまったリーラさんは、2014年12月、Tumblrに痛切な遺書を残して自死しました。彼女が亡くなったのは、ウォーレン郡のインタステート71号線。そう、まさにこの標識が設置された場所です。

リーラさんの遺書全文は、PinkNewsの過去記事で読むことができます。最後のパラグラフだけ、以下に訳してみます。

わたしが安らかに眠れるのは、いつかトランスジェンダーの人々がわたしのような扱いを受けず、正当な感情と人権を持つ人間として扱われるようになったときだけでしょう。学校でジェンダーについて教えなければなりません、早ければ早いほどいいです。わたしの死には意味がなければなりません。わたしの死は、今年自死したトランスジェンダーの数としてカウントされなければなりません。誰かその数字を見て、『これはひどい』と言って、直してください。社会を直してください。お願い。

The only way I will rest in peace is if one day transgender people aren’t treated the way I was, they’re treated like humans, with valid feelings and human rights. Gender needs to be taught about in schools, the earlier the better. My death needs to mean something. My death needs to be counted in the number of transgender people who commit suicide this year. I want someone to look at that number and say “that’s fucked up” and fix it. Fix society. Please.

リーラさんの家族はこの遺書をTumblrから削除し、墓石には男性名を刻みました。

2015日11月現在、社会はまだ「直った」とは言えません。Planet Transgenderによれば、過去1年間にトランスフォビアが原因で自死した人は、判明分だけでも計27人です。また、トランス殺人監視プロジェクト(Trans Murder Monitoring Project, TMM)の報告によれば、2014年10月から2015年9月までの1年間で、少なくとも271人ものトランスジェンダーが殺されています。やるべきことは、まだ山積みです。

リーラさんの死後、彼女の友人と支援者は「リーラ・アルコーン・メモリアル・ハイウェイ」(Leelah Alcorn Memorial Highway)というグループを結成。"Adopt-A-Highway"というプログラムを利用して、上記の標識を立てました。"Adopt-A-Highway"とは、高速道路の一定区間の清掃を引き受ける代わりに、その区間に名前入りの標識を立てることができるという制度です。オハイオ州運輸省は2015年の11月20日、つまりトランスジェンダー追悼の日(Transgender Day of Remembrance)にこの標識を設置したとのこと。

以下、同グループのFacebookより引用します。

わたしたちは彼女が命を失った高速道路の区画をアダプトし、維持することで、彼女の記憶を留めていきます。それによってトランスジェンダーの人々が直面している問題を明らかにし、このような悲劇を終わらせることができるよう願っています。

We are keeping her memory alive by adopting and maintaining the stretch of highway where she lost her life, in hopes of bringing to light the issues faced by transgender people and so that these tragedies can be brought to an end.