オハイオ州シンシナティ議会が2015年12月9日、性的指向や性自認を変える「転換療法」を違法とする法案を可決しました。2014年に自死したトランスジェンダー少女、リーラ・アルコーン(Leelah Alcorn)さんの死を無駄にしたくなかったと、議員のひとりが語っています。
詳細は以下。
Cincinnati bans 'conversion therapy' in memory of Leelah Alcorn - Gay Star News
「転換療法」("conversion therapy")というのは、同性愛者を異性愛者に「転換」したり、トランスジェンダーの性自認を生まれたとき割り当てられた性別に合うよう「転換」したりするという触れ込みのいんちきセラピーのこと。たいていは宗教的な団体が実施しており、医学的な根拠がない上にクライアントの健康を脅かす可能性があると全米保険機構(PAHO)などから指摘されています。以下のエントリが参考になるかも。
シンシナティ議会は、未成年者へのこうしたセラピーの実施を違法とする法案を賛成7票対反対2票で可決しました。これにより、違反者には1日あたり200ドルの罰金が科されるようになるとのこと。
同州では2014年、シンシナティのトランスジェンダーで、親の無理解からこのような療法に通わされていた17歳女性、リーラ・アルコーンさんが「社会を直して」という遺書を残して亡くなったばかり。この法案に賛成票を投じたオープンリー・ゲイの議員、クリス・シールバック氏は、法案通過後以下のようにツイートしています。
We just made the death of Leelah Alcorn "Mean Something"! And made history by becoming the FIRST city in the (cont) https://t.co/bzUcN6Hano
— Chris Seelbach (@ChrisSeelbach) 2015, 12月 9
訳:「わたしたちはリーラ・アルコーンの死を意味あるものにしたかったのです。だから、米国で初めて未成年者への『転換療法』を禁じた市になるという、歴史に残ることをしたのです」。
シールバック議員は一朝一夕にこのような意見を口にしたわけではなく、今年1月にも以下のような力強いスピーチをおこなっています。これ見て泣いたわ、あたし。
そんなわけで、リーラさん、社会はちょっとだけ変わったよ。これからも変えていくよ。