石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

プライド・パレード後ゲイカップルが襲われけが 米マイアミビーチ

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2018年4月8日、米国フロリダ州マイアミビーチのゲイ・プライド・パレードの後、4人の男が男性同士で手をつないでいたカップルの顔を殴るなどしてけがを負わせました。加害者らは10日に自首。ヘイトクライムでの起訴もありうるとのこと。

詳細は以下。

Suspects surrender in Miami Beach attack on gay couple | Miami Herald

警察の記録によれば、事件が起こったのは8日の午後7時40分。ログノフ(Logunov)さんとチャラルカ(Chalarca)さんというゲイカップルが公園のトイレから出た後、加害者グループのひとり、フアン・カルロス・ロペス(Juan Carlos Lopez)がぶつかってきたのだそうです。このとき自分たちはただ手をつないでいただけだった、とこのカップルは話しています。

ロペスと連れのルイス・M・アロンソ・ピオベット(Luis M. Alonso Piovet) 、アドニス・ディアス(Adonis Diaz)、パブロ・レイナルド・レモ=フィゲロア(Pablo Reinaldo Romo-Figueroa)らは、それからこのカップルをスペイン語の罵倒語で「ホモども」("maricones")と呼び、顔面を繰り返し殴って地面に倒れこませてしまったのだそうです。それを見て止めに入ったヘルムート・ミュラー(Helmut Muller)さんという人もノックアウトされて頭をコンクリートに打ち付け、4針縫うけがをしています。

加害者らがミュラーさんを殴り倒して逃げた後、マイアミビーチ署は以下の防犯カメラの映像を公開し、情報を募りました。

4人の顔のみならず、ひとりがフロリダ国際大学(FIU)のTシャツを着ているところまではっきりくっきり写ってますね。FIUの卒業生たちからは「大学コミュニティの恥」「この髭の男に退学になってほしい」など怒りの声が上がり、大学当局からもこれらの男らは「FIUのバリューを体現していない」という声明が発表されています。4人は10日に弁護士を通じて自首したのち加重暴行罪で起訴されており、この事件がヘイトクライムに分類されるかどうかは州検察局が今後判断するとのこと。

日本には昨今、「アメリカでは『ポリコレ』が行き過ぎて逆差別が起こっている」だの「差別反対と騒ぐ奴らのせいで、今やマジョリティが『ポリコレ棒』で殴られている」だのという説を好んで唱える人が少なくないようです。でもこういう事件を見ればわかる通り、現実世界で本当に殴られているのは、あいも変わらずマイノリティの方です。「ポリコレ」とやらの害を説く人たちが、このろくに定義もされていない雑な和製英語をどんな意味で使っているのかは謎だけど、少なくとも「行き過ぎる」ほど少数者の権利回復が進んでる国なんてありゃしないよ。差別をやめろと言われたマジョリティが、「『ポリコレ棒』で殴られる、殺される」などとうそぶいて被害者気取りでいる間にも、ゲイはこうやって現実に殴られて本物の血を流してるんだよ。