石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年7月29日)

I'm Just a Person

ティグ・ノタロ&ステファニー・アリン、交際5周年おめでとう

米女優ステファニー・アリン(Stephanie Allynne)がこんなかわいいツイートをupしてました。

ステファニーと、彼女の妻でコメディアンのティグ・ノタロ(Tig Notaro)は、コメディー映画『私にだってなれる!夢のナレーター単願希望』(2013)の共演時に知り合い、2015年に結婚2016年にステファニーが双子の男の子を出産して、現在育児の真っ最中です。ふたりはジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)が米国初の女性大統領を演じるコメディ映画『First Ladies(原題)』の脚本を共同で担当しており、ティグはその大統領の妻役も演じる予定。

Netlixのドキュメンタリー『ティグ それでも立ち続ける』やこちらのCosmopolitanの記事によれば、最初にティグに会ったとき、ステファニーは自分は異性愛者だと思い込んでいたんだそうです。人生、どこで何があるかわからないよね。おふたりとも、今後もお幸せに。

人気YouTuberハンナ・ハートが彼女と婚約

Hannah Hart Engaged to Longtime Girlfriend Ella Mielniczenko | PEOPLE.com

WebシリーズMy Drunk Kitchenで有名な人気YouTuberハンナ・ハート(Hannah Hart)が、ガールフレンドでBuzzFeedのエグゼクティブプロデューサーのElla Mielniczenkoにプロポーズ。返事はイエスだったそうです。

上記動画で、ハンナはこんなことを言ってます。

「小学5年生のハンナに人生最大の夢はと訊いたら、『家族を持つこと』と言うでしょう。わたしは自分のセクシュアリティを受け入れていて、世の中にはクィアネスはほとんどないとわかっていたから、愛する人に出会えるチャンスは全然ないと思って本当に怯えてました。……それが、ほら! 今は愛する人がいて、婚約していて(中略)今は何もかも最高」

おめでとうございます、お幸せに。

Netflix『アンという名の少女』S2はS1よりクィアに

Anne With an E Boss on Season 3, the Queer Soirée, Bash, and More | IndieWire

『赤毛のアン』を原作とするNetflixドラマ『アンという名の少女』が、シーズン2ではよりクィアな色合いが濃くなっているというニュース。S1でもダイアナの大叔母さんのジョー(ジョセフィン)おばさんには女性のパートナーがいたということが描かれていたのですが、このS2ではその話がもう少し描かれる上に、アンの友達のコール(コーリー・グルーター・アンドリュー/Cory Gruter-Andrew)がゲイであることにまつわる話も出てくるとのこと。

以下、同番組クリエイターのモイラ・ウォーリー・ベケット(Moira Walley-Beckett)による説明です。

「クラスの中に自分のアイデンティティ―と格闘していた子がひとりもいなかったのでは筋が通りません」と彼女は言った。「同性愛者であることが違法で、罰されたり投獄されたり死刑にされたりする時代にそうすることは、想像を絶するほどつらいことでした。そしてカナダでは、同性愛は1969年まで犯罪として罰されうることだったんです。わたしはどうしてもそのようなことをストーリー展開に含めたいと思いました。

“It would only make sense that there would be somebody in the class who was struggling with identity,” she said. “It was just unimaginably difficult to do so especially during that timeframe where it was illegal to be a homosexual, punishable by imprisonment and a death sentence – and punishable in Canada until [1969]. I was very keen to include a storyline like that.

このニュースを読んでざっくりS2を飛ばし見してみたところ、S2第7話に、このコールとジョセフィンおばさんが直接ことばを交わす場面があるんですね。さらに、コールがおそらく生まれて初めて自分以外のクィアなアーティストたちと接して、新たな気づきを得る場面も出てきます。重い展開もあればホモフォビックな台詞(それも現代日本で議員が口走ってるようなやつ)もあり、楽しいばかりの回ではないんですが、アンとコールと、ジョセフィンおばさんの台詞がものすごくいいです。この回だけいきなり見てもじゅうぶん楽しめると思うので、未見の方はぜひどうぞ。

チェルシー・ハンドラーが『ウィル&グレイス』でパワー・レズビアン役に

Chelsea Handler Will Play a Power Lesbian on "Will & Grace" | NewNowNext

コメディアンでTVパーソナリティーのチェルシー・ハンドラー(Chelsea Handler)が、NBCのコメディ『ウィル&グレイス』に、パワー・レズビアン(地位もお金も権力もある、エリート階級のレズビアンのこと)の役で登場するそうです。チェルシーの役、「ドナ・ジマー」はグレイスの顧客で、グレイスの妹のジャネット(メアリー・マコーマックMary/ McCormack)とデートし出すという設定だとのこと。このエピソードはS10(つまり、リバイバルのS2)の早い回になる見込みだそうです。

見たいわこの回。早くこの新シリーズ(S9~)が日本でも見られるようになってほしい。

地裁判事、トランス男子が学校の男子用設備を使う権利を支持 米オレゴン州

Judge's ruling supports Oregon school's transgender policy

米国オレゴン州の連邦地裁判事が2018年7月26日、学校はトランスジェンダーの男子生徒に男子用の設備を使わせるべきではないとする生徒と父兄らの訴えを棄却しました。

同州のダラス学校区は2015年、トランスジェンダーの男子生徒Elliot Yoderさん(当時14歳)に高校の男子用ロッカールームを使う許可を与えていました。Yoderさんの通う学校にはジェンダー・ニュートラルなトイレがあり、Yoderさんは当初そこで着替えをしていたのだそうです。しかしそのトイレは男子用ロッカールームから2フロアも離れているため、男子用ロッカールームを使いたいと申し出て、それが許可されたんでした。これに対し、一部の生徒と保護者らが、2017年に「異性の生徒と一緒にトイレを使うことは、きまり悪さ、屈辱、不安、威嚇、恐れ、心細さ、ストレスの原因になる」として訴えを起こしていたのですが、マルコ・ヘルナンデス(Marco Hernandez)判事はこれを退け、学校区の判断を支持したのだそうです。

「異性の生徒と一緒に」もなにも、トランス男子とシス男子は同性だし、そもそもYoderさんはトイレじゃなくてロッカールームを使う許可を求めていたのに、それをトイレの話にすり替えるのは悪質な印象操作だと思います。結局のところ「トランスジェンダーの人々が性自認通りの設備を使うこと認めたら、トイレに『異性』が入り込んで性犯罪を起こす」というイメージを煽ることで都合よく事態をコントロールしたかっただけでしょ、この人たち。司法がこんな訴えに流されなくて、本当によかった。

それでもなお、「トランスジェンダーの権利を認めたらトイレに『異性』が入り込む」という発想が頭にへばりついて離れない方には、以下のニュースが参考になるかもしれません。

リンク先に飛ぶことさえめんどくさい人のために簡単にまとめると、この女性(トランス女性)に男子トイレに入ることを強制したら危険だし、

この男性(トランス男性)に女子トイレを使うよう強要したら、やはりトラブルの元にしかならないってことですよ。

結局のところ、トイレに関してはジェンダー・ニュートラルなトイレ(多目的トイレ的な、誰でも入れるトイレ)を増やすのがいちばんだし、Yoderさんの学校は既にそれをやっているので、文句を言われる筋合いはないかと。ロッカールームについても、アリゾナ大学カリフォルニア大学バークレー校のように、ひとりひとりが完全個室でシャワーを浴びたり着替えたりできるジェンダー・ニュートラルな(あるいはユニバーサルな)設計のものを取り入れる動きは既にあるので、まずそういう設備の拡充を求めるのが筋だと思います。

米デラウェア州がコンバージョン・セラピー禁止

Delaware Just Banned Gay Conversion Therapy | NewNowNext

2018年7月23日、米国デラウェア州で、メンタルヘルスの専門家が子供にコンバージョン・セラピー(同性愛者を異性愛者に矯正するという触れ込みのインチキな『治療』)をほどこすことを禁止する法が成立しました。この法により、同州では児童青少年家族局(Department of Services for Children, Youth and Their Families)が子供のいる家庭にコンバージョン・セラピーを勧めることも禁止されるとのこと。よかったよかった。

なお、「コンバージョン・セラピーって何」とお思いの方は、ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』シーズン2をご覧になるか、映画『Misseducation of Cameron Post』の原作をお読みになるか、以下のリンク先をのぞいてみられるかするとよろしいかと思います。

同性愛の"矯正"治療「コンバージョン・セラピー」経験者が語る トランプ政権で起こりうるクィア迫害とは

ゲイのカントリー歌手ブランドン・スタンセル、ユーリカ・オハラをフィーチャーするMV発表

Brandon Stansell's 'For You' Video: Watch | Billboard

オープンリー・ゲイのカントリー歌手ブランドン・スタンセル(Brandon Stansell)が、『ル・ポールのドラァグ・レース』S9ファイナリストのユーリカ・オハラ(Eureka O'Hara)をフィーチャーするミュージックビデオを発表しました。

以下、Billboardより引用します。

「カントリーミュージックの世界では、異性愛者の白人男性以外はマイノリティーなんです。それっておかしいと思います」と、スタンセルは語る。「いいカントリーミュージックなのに、音楽そのもののつくりとはまったく関係ない理由で――女性やLGBTQのアーティストによる表現かどうかという理由でプレイされなくなってしまうものがたくさんあります。この流れを変えるにはどうすればいいのかははっきりとはわかりませんが、ぼく自身は大嵐となってもいいと思っています」

“Unless you're a straight white male, you are a minority in country music, and I think that's crazy,” Stansell says. “There is so much good country music out there that doesn't get played for reasons that have nothing to do with the music being produced -- whether it’s music from women or LGBTQ artists. I am not sure what it will take to turn the tide, but I don't mind being the storm.”

「異性愛者の白人男性以外はマイノリティー」というのはカントリーミュージックの世界に限らず、どこでも言えることだと思います。もちょっと正確に言うと、「シスジェンダーの異性愛者の白人男性以外はマイノリティー」よね。放っておいたら永遠にそのままだから、抵抗することは大切。上記MVにはクィアネスの肯定のみならずファット・シェイミングへの批判もこめられていて、そこがとてもいいと思います。

トランス女性が射殺され1か月以上「男性」として扱われる 米ミシシッピ州

Diamond Stephens Is the Latest Transgender Woman of Color to Lose Her Life | NewNowNext

米国ミシシッピ州で2018年6月25日、39歳のトランスジェンダー女性であるダイヤモンド・スティーブンス(Diamond Stephens)さんが車の中で亡くなっているところを発見されました。遺体には後頭部に銃創があったそうです。当初報道でも警察の発表でもスティーブンさんは男性として扱われ、1か月以上たってようやく彼女がトランスだということが認められたとのこと。

スティーブンスさんは2018年に米国で亡くなった少なくとも15人目(16人目とする説もあります)の有色人種のトランスジェンダー女性です。